14:15 〜 14:30
[PPS08-15] 無容器溶融凝固させたイルメナイトの磁気特性
キーワード:イルメナイト、月レゴリス、磁気特性
1. はじめに
月資源活用には、月表層物質(レゴリス)について理解することが重要である。特に、月面環境で保持された物質は、温度履歴や放射線照射の影響により特異な性質を持っている可能性があり、その性質の理解が、月面環境を実験室で再現する手掛かりになる。現在、磁場を用いた月レゴリスの選鉱技術について検討しているが、そのためには月レゴリスの磁性が重要になる。月レゴリスに含まれるFeTiO3(イルメナイト)は通常常磁性を示すが、月面上においては強磁性を示す[1]。このため、イルメナイトの強磁性の原因を明らかにすることが、模擬月面環境構築には重要になる。そこで、イルメナイトの強磁性発現の解明のため、本研究では、FeTiO3をガスジェット浮遊法で合成し、その磁気特性を調べた。
2. 実験方法
FeOとTiO2を1:1(mol%)で混合させた粉末を一軸プレス機で成形したのち、空気雰囲気中でガスジェット浮遊法で溶融凝固させた。ガスジェット浮遊法では、Arガスで試料を浮遊させながらCO2レーザーで溶融し、無容器凝固させた。合成した試料はX線回折による結晶相同定を行い、振動型磁力計(VSM)用いて磁気特性を調べた。
3. 結果と考察
合成粉末試料について磁化測定を行った結果、ヒステリシスループが観測され、強磁性を示すことがわかった。X線回折の結果からイルメナイトと酸化チタンのピークが得られ、強磁性の原因として鉄やマグネタイト(Fe3O4)が析出していると考えていたが、ピークは一致しなかった。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて表面や断面の微細構造を観察する必要がある。また、キュリー温度を特定し強磁性発現の原因を探るために、磁化の温度変化測定を行った結果、100℃から200℃の間で強磁性がなくなることがわかった。発表ではこれらの結果を含め、FeTiO3が強磁性を示す原因について議論する。
4. 参考文献
[1]T.Nagata et al., Proc. Apollo11 Lunar Sci. Conf., Vol.3 (1970) 2340.
月資源活用には、月表層物質(レゴリス)について理解することが重要である。特に、月面環境で保持された物質は、温度履歴や放射線照射の影響により特異な性質を持っている可能性があり、その性質の理解が、月面環境を実験室で再現する手掛かりになる。現在、磁場を用いた月レゴリスの選鉱技術について検討しているが、そのためには月レゴリスの磁性が重要になる。月レゴリスに含まれるFeTiO3(イルメナイト)は通常常磁性を示すが、月面上においては強磁性を示す[1]。このため、イルメナイトの強磁性の原因を明らかにすることが、模擬月面環境構築には重要になる。そこで、イルメナイトの強磁性発現の解明のため、本研究では、FeTiO3をガスジェット浮遊法で合成し、その磁気特性を調べた。
2. 実験方法
FeOとTiO2を1:1(mol%)で混合させた粉末を一軸プレス機で成形したのち、空気雰囲気中でガスジェット浮遊法で溶融凝固させた。ガスジェット浮遊法では、Arガスで試料を浮遊させながらCO2レーザーで溶融し、無容器凝固させた。合成した試料はX線回折による結晶相同定を行い、振動型磁力計(VSM)用いて磁気特性を調べた。
3. 結果と考察
合成粉末試料について磁化測定を行った結果、ヒステリシスループが観測され、強磁性を示すことがわかった。X線回折の結果からイルメナイトと酸化チタンのピークが得られ、強磁性の原因として鉄やマグネタイト(Fe3O4)が析出していると考えていたが、ピークは一致しなかった。走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて表面や断面の微細構造を観察する必要がある。また、キュリー温度を特定し強磁性発現の原因を探るために、磁化の温度変化測定を行った結果、100℃から200℃の間で強磁性がなくなることがわかった。発表ではこれらの結果を含め、FeTiO3が強磁性を示す原因について議論する。
4. 参考文献
[1]T.Nagata et al., Proc. Apollo11 Lunar Sci. Conf., Vol.3 (1970) 2340.