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[PPS08-P14] 月表層におけるイルメナイト分布の定量化に向けたイルメナイトと輝石および斑レイ岩混合試料の反射分光分析
キーワード:月、イルメナイト、反射スペクトル、室内分光
イルメナイト(FeTiO3)は月の海を構成する玄武岩中に多く含まれ、その濃度は地域により大きく異なる。Tiは液相濃集元素であり、玄武岩マグマ生成時のマントル化学組成を反映していると考えられる。従って、月におけるイルメナイトの分布およびその存在量を明らかにすることは、月の形成進化過程やマグマオーシャンの組成の解明の重要な鍵となる。イルメナイトの反射スペクトルは可視・近赤外域において反射率が低く、紫外域では反射率上昇を示し、またイルメナイトが細粒の粉体状の場合には~700 nmのTi3+,Ti4+による吸収と~1200 nmに表れるFe2+電子遷移吸収に挟まれた950 nm付近で特徴的なピーク形状が見られる(Riner et al. 2009; Izawa et al. 2021; Robertson et al. 2022)。実際に月周回衛星かぐやや地上望遠鏡によって1000 nm付近に反射率ピークを示す月表層の分光観測データが取得されており、こうした地域ではイルメナイトが濃集していると考えられる(e.g., Gaddis et al., 1985; Yamamoto et al., submitted)。またいくつかの探査機観測からは月表層の紫外―可視反射スペクトルを使ったTiO2量の推定がなされている(e.g., Sato et al. 2017)。
月表層において、イルメナイトは他の鉱物と混合状態で存在すると考えられる。またイルメナイトのような不透明鉱物が混合した場合、反射スペクトルにおいて生じる変化は非線形的である。従って、イルメナイトの混合比と反射スペクトルの関係を系統的に明らかにすることにより、イルメナイトの月表層における分布および存在量の精度良い定量化が可能となる。そこで本研究では、まず輝石(ピジョナイト、オージャイト)および斑レイ岩粉末試料の反射スペクトル測定および組成分析を行った上で、上記の鉱物とイルメナイト粉末試料を異なる混合比で混合した。これらの紫外―可視―近赤外反射スペクトルを実験室で系統的に取得し、イルメナイト量とスペクトル特徴量、特に反射率・傾き・吸収帯深さの相関を明らかにする。
月表層において、イルメナイトは他の鉱物と混合状態で存在すると考えられる。またイルメナイトのような不透明鉱物が混合した場合、反射スペクトルにおいて生じる変化は非線形的である。従って、イルメナイトの混合比と反射スペクトルの関係を系統的に明らかにすることにより、イルメナイトの月表層における分布および存在量の精度良い定量化が可能となる。そこで本研究では、まず輝石(ピジョナイト、オージャイト)および斑レイ岩粉末試料の反射スペクトル測定および組成分析を行った上で、上記の鉱物とイルメナイト粉末試料を異なる混合比で混合した。これらの紫外―可視―近赤外反射スペクトルを実験室で系統的に取得し、イルメナイト量とスペクトル特徴量、特に反射率・傾き・吸収帯深さの相関を明らかにする。