日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT43] 最先端ベイズ統計学が拓く地震ビッグデータ解析

2025年5月26日(月) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:長尾 大道(東京大学地震研究所)、加藤 愛太郎(東京大学地震研究所)、矢野 恵佑(統計数理研究所)、椎名 高裕(産業技術総合研究所)

17:15 〜 19:15

[STT43-P03] スパース推定を用いた関数データに対するクリギング

★招待講演

*松井 秀俊1、山本 皐平1、山川 雄也2 (1.滋賀大学、2.京都大学)

キーワード:関数データ解析、クリギング、スパース推定

観測個体それぞれが経時的に測定値を得たとき,これらを関数化処理し,得られた関数の集合をデータとして分析対象とする方法は関数データ解析とよばれる.関数データ解析では,回帰分析や主成分分析といった古典的な多変量解析を関数データの枠組みへ拡張した方法が多く用いられる.本研究はその中でも,関数データに対する空間データ分析に焦点を当てる.
空間上のいくつかの地点である特徴が経時的に観測されたデータを利用して,未観測地点の特徴の経時変化を関数として予測する方法の1つに,関数クリギングがある.関数クリギングでは,空間上に分布する関数に対する定常性や等方性の仮定の下で,データが観測されている地点の関数データによる線形結合により未観測地点の関数を予測する.線形結合の重みは一般的に,期待二乗誤差の最小化に基づいて推定されることが多い.これに対して本研究では,この重みをスパース推定を利用して推定する方法を提案する.
本研究では,スパース推定法の1つであるadaptive lasso制約を用いて,クリギングにおける重みのいくつかを0に縮小する.これにより,未観測地点における特徴の経時変化を,全てではなく一部の観測地点の関数データを用いて予測できる.また,スパース制約を付与した期待二乗誤差を最小にするためのアルゴリズムおよび,最小化に伴う調整パラメータを選択する方法を導出する.提案手法を低周波地震波形のデータ分析に適用し,特定の地点の地震波形の予測に用いられる地点の選択を行う.