14:00 〜 14:15
[AHW36-02] 地下水揚水規制後の関東平野南西部の地下水流動の変遷
キーワード:地下水位変動、地下水開発、地方公共団体、地下水揚水規制、地下水盆管理、首都圏
関東平野の南西部に位置する武蔵野台地から荒川低地・大宮台地にかけての地域における被圧地下水の広域の流動は,かつて「浦和透水帯」,「浦和水脈」,「浦和流動地下水」などと呼ばれた(木野,1970等).これらの呼称は,地下水の流束が相対的に大きいこと示したものであり,当時すでに増大・拡大傾向にあった地下水揚水の影響を受けた流動であるが,一般社会に「良質な地下水が豊富に流れている」と誤認された経緯を有する.
この地域では,第二次世界大戦後から高度経済成長期にかけて,地下水の開発域が急速に拡大するとともに地下水揚水量が増大した.この結果,地盤沈下が低地だけでなく台地にまで広く発生したため,1960年代以降に法律(工業用水法,ビル用水法)や地方公共団体の条例が整備され,地下水の揚水量が規制されてきた.この結果,地域全体での地下水揚水量は減少してきたが,この地域は東京都と埼玉県にまたがっており,地区によって地下水の利用と規制の歴史が異なる.また現在も,地方公共団体によって,水道水源としての地下水利用の有無が異なる.
このような地下水の利用ならびに規制の経緯は,「浦和透水帯」や「浦和水脈」などと呼ばれた広域の地下水流動に影響してきたと考えられるが,その変遷や現状については不明な点が多い.その要因として,地下水流動が2都県にまたがり,多くの地方公共団体がかかわっていることや,水理地質構造が十分に考慮されていなかったことなどが挙げられる.そこで本研究では,東京都ならびに埼玉県が蓄積してきた地下水位データや水理地質に関する情報,地方公共団体の地下水揚水量データ等を統合し,長期にわたる地下水流動の変遷と現状を把握することを目的とする.この成果は,水循環基本法で求められている河川流域・地下水盆単位での地表水・地下水の統合管理,すなわち,水循環や地下水流動の保全や地表水・地下水の持続的な利用に資するものである.発表では,水理地質構造と地下水位データの三次元的な分布の経年変化から,地下水流動の変遷の特徴と現状を報告する.
本研究は,東京都土木技術支援・人材育成センター・秋田大学・産業技術総合研究所の共同研究ならびに埼玉県・秋田大学・産業技術総合研究所の共同研究の一環として実施するものである.
この地域では,第二次世界大戦後から高度経済成長期にかけて,地下水の開発域が急速に拡大するとともに地下水揚水量が増大した.この結果,地盤沈下が低地だけでなく台地にまで広く発生したため,1960年代以降に法律(工業用水法,ビル用水法)や地方公共団体の条例が整備され,地下水の揚水量が規制されてきた.この結果,地域全体での地下水揚水量は減少してきたが,この地域は東京都と埼玉県にまたがっており,地区によって地下水の利用と規制の歴史が異なる.また現在も,地方公共団体によって,水道水源としての地下水利用の有無が異なる.
このような地下水の利用ならびに規制の経緯は,「浦和透水帯」や「浦和水脈」などと呼ばれた広域の地下水流動に影響してきたと考えられるが,その変遷や現状については不明な点が多い.その要因として,地下水流動が2都県にまたがり,多くの地方公共団体がかかわっていることや,水理地質構造が十分に考慮されていなかったことなどが挙げられる.そこで本研究では,東京都ならびに埼玉県が蓄積してきた地下水位データや水理地質に関する情報,地方公共団体の地下水揚水量データ等を統合し,長期にわたる地下水流動の変遷と現状を把握することを目的とする.この成果は,水循環基本法で求められている河川流域・地下水盆単位での地表水・地下水の統合管理,すなわち,水循環や地下水流動の保全や地表水・地下水の持続的な利用に資するものである.発表では,水理地質構造と地下水位データの三次元的な分布の経年変化から,地下水流動の変遷の特徴と現状を報告する.
本研究は,東京都土木技術支援・人材育成センター・秋田大学・産業技術総合研究所の共同研究ならびに埼玉県・秋田大学・産業技術総合研究所の共同研究の一環として実施するものである.