JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS14] [JJ] ジオパーク

2017年5月21日(日) 13:45 〜 15:15 A01 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:藁谷 哲也(日本大学大学院理工学研究科)、平松 良浩(金沢大学理工研究域自然システム学系)、松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、尾方 隆幸(琉球大学島嶼防災研究センター)、座長:平松 良浩(金沢大学理工研究域自然システム学系)、座長:尾方 隆幸(琉球大学島嶼防災研究センター)

14:15 〜 14:30

[MIS14-09] SNSに投稿された位置情報付き写真の分布を用いたジオパーク訪問者の傾向把握

*鈴木 雄介1 (1.伊豆半島ジオパーク推進協議会事務局)

キーワード:ジオパーク、SNS

ジオパークではエリア内の地球科学的あるいは文化的な価値を伝えるためにガイドブックの製作や解説版・誘導看板の設置等が行われる。これらは、ジオパークとしての価値をふまえたうえで設置場所などが検討されていることが多い。一方、ジオパークの来訪者は必ずしもジオパークとして考える「価値の高い場所」を目指すわけではない。そのため、現状の来訪者の傾向を把握して、適切な場所に解説版や誘導看板を設置するなどの工夫が必要である。
本研究では、伊豆半島ジオパークを対象に、SNSに投稿された位置情報付き写真の分布を用いた訪問者の傾向把握を試みた。写真を撮るという行為は、見たものを他者と共有したり、見て感動した場所を記録したりすることでもあり、訪問者エリア内の何を見て楽しんだのかを反映している。携帯電話やカーナビによる位置情報に比べ点情報しか得られないが、トイレなどに立ち寄ったりした場所などが検出されない長所がある。ここでは写真の取得元として一眼レフ等で撮影された写真の割合が高いFlickrを用いた。
Flickrには、撮影された場所をもとに写真を検索したり、写真の撮影時刻・使用したカメラ等を調べるためのAPIが用意されている。このAPIを利用して、伊豆半島の中央を中心として半径30km以内で2015年に撮影された写真を検索したところ約5000枚の写真のリストが得られた。このリストに含まれる緯度経度の情報を用い、GIS上に写真撮影地点をプロットした。単純なプロットだけでは近い場所で多数の写真が撮影されている場合に判読できないため、ヒートマップも作成した。ヒートマップでは、多くの写真が撮影されているホットスポット等が明らかとなった。また、ジオサイト内で撮影された写真の枚数を集計し、現状の解説看板や解説版で紹介しているサイトと、訪問客が実際に訪れている場所(ニーズ)が一致しているか、一致していない場合にはどういった違いが生じているかなどについて検討している。
今回の報告では、APIで検索されたすべての写真を用いたが、中には位置情報が著しく間違っているものや、明らかに地域住民が撮影した写真が含まれていた。今後は、撮影者情報から、伊豆半島外に居住している撮影者の写真のみを使用し、解析の精度を高める工夫をする予定である。