11:30 〜 11:45
[MIS16-10] 掘削同時検層データから得られた東部南海トラフ第二渥美海丘のメタンハイドレート胚胎タービダイト層の浸透率
キーワード:ガスハイドレート、浸透率、タービダイト、掘削同時検層、初期水有効浸透率、絶対浸透率
要旨
砂層型メタンハイドレート(MH)胚胎層の成因を考える上で、流体通路となる地層の浸透率の情報は重要である。また、MH胚胎層からのメタンガス生産について検討する場合、特に減圧法ではMH胚胎状態での地層の浸透率がメタンガス生産に大きな影響を与えることから、コアの実測や検層データ解析による浸透率把握が試みられている。JOGMECは東部南海トラフ地域において2017年に第二回海洋産出試験を予定しており、2016年にはその事前掘削航海を行った。
今回、昨年のキャンペーンで掘削された2坑井において新たに取得された掘削同時検層(LWD)データを用い、MH胚胎層のMH胚胎状態における浸透率(初期水有効浸透率)とMH分解後の浸透率(絶対浸透率)についての検討をおこなった。初期水有効浸透率については、核磁気共鳴検層ツールで得られたT2分布からTimur-Coates法を用いて計算した浸透率について、過去に取得されたこの地域のコアを用いて測定された浸透率と比較し検討した。また、MHを含まない状況の絶対浸透率については、密度検層結果から計算された孔隙率とコア測定値を基準として岩相毎に決定した係数を用いKozeny-Carmanの式を用いて求めた。検討の結果s、MHが濃集している区間においてはTimur-Coates式の係数を50000とすると、コアの測定結果と整合することが分かった。この結果は2004年の基礎試錐「東海沖~熊野灘」の核磁気共鳴検層データとコア試料の測定から求められた係数と同じである。この結果、初期水有効浸透率はMH飽和率により変化するが砂層については概ね数mDから数百mD、泥シルトについては0.01~1mD程度となった。これらの値の妥当性と孔隙充填型のMH胚胎タービダイト層の浸透特性の特徴について報告する。
砂層型メタンハイドレート(MH)胚胎層の成因を考える上で、流体通路となる地層の浸透率の情報は重要である。また、MH胚胎層からのメタンガス生産について検討する場合、特に減圧法ではMH胚胎状態での地層の浸透率がメタンガス生産に大きな影響を与えることから、コアの実測や検層データ解析による浸透率把握が試みられている。JOGMECは東部南海トラフ地域において2017年に第二回海洋産出試験を予定しており、2016年にはその事前掘削航海を行った。
今回、昨年のキャンペーンで掘削された2坑井において新たに取得された掘削同時検層(LWD)データを用い、MH胚胎層のMH胚胎状態における浸透率(初期水有効浸透率)とMH分解後の浸透率(絶対浸透率)についての検討をおこなった。初期水有効浸透率については、核磁気共鳴検層ツールで得られたT2分布からTimur-Coates法を用いて計算した浸透率について、過去に取得されたこの地域のコアを用いて測定された浸透率と比較し検討した。また、MHを含まない状況の絶対浸透率については、密度検層結果から計算された孔隙率とコア測定値を基準として岩相毎に決定した係数を用いKozeny-Carmanの式を用いて求めた。検討の結果s、MHが濃集している区間においてはTimur-Coates式の係数を50000とすると、コアの測定結果と整合することが分かった。この結果は2004年の基礎試錐「東海沖~熊野灘」の核磁気共鳴検層データとコア試料の測定から求められた係数と同じである。この結果、初期水有効浸透率はMH飽和率により変化するが砂層については概ね数mDから数百mD、泥シルトについては0.01~1mD程度となった。これらの値の妥当性と孔隙充填型のMH胚胎タービダイト層の浸透特性の特徴について報告する。