JpGU-AGU Joint Meeting 2017

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[JJ] 口頭発表

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[U-06] [JJ] 地球惑星科学の進むべき道-7:防衛装備庁安全保障技術研究制度

2017年5月20日(土) 13:45 〜 15:15 103 (国際会議場 1F)

コンビーナ:大久保 修平(東京大学地震研究所)、川幡 穂高(東京大学 大気海洋研究所)、藤井 良一(名古屋大学)、田近 英一(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、座長:大久保 修平(東京大学地震研究所)、座長:川幡 穂高(東京大学 大気海洋研究所)

13:45 〜 14:05

[U06-01] 本セッション「地球惑星科学の進むべき道-7」の趣旨

★招待講演

*藤井 良一1 (1.情報•システム研究機構)

キーワード:防衛装備庁安全保障技術研究制度、地球惑星科学、日本学術会議声明

現在、防衛装備庁の安全保障技術研究制度と学術の関わり方がアカデミアだけではなく社会で広く議論されている。この制度は、同庁のプログラムディレクターのもとで、大学や研究開発法人の研究者が研究費の支給を受けて将来の防衛装備品につながる基礎研究を進めるものである。予算規模は制度が開始された2015年度は総額約3億円、2016年度は約6億円が措置され、2017年度には大幅増の約110億円が措置される予定である。日本学術会議においては、昨年4月の総会で本問題が提起され、5月に「安全保障と学術に関する検討委員会」において検討を開始された。その後、本年1月16日に中間取りまとめが行われ、2月4日の公開討論会を経て、4月の総会で日本学術会議の見解が発表される見込みである。
 戦前の地球科学と軍事研究との関わり及び本制度で採択された課題の中に地球惑星科学と無関係とはいえないものが含まれていることからも、学術の根幹に関わる本問題について、地球惑星科学コミュニティ自らが、現時点で様々な観点から議論を尽くしておくことは、今後の地球惑星科学の進むべき道を考え進めて行く上で極めて重要である。 
 本セッションでは、「戦争を目的とする研究は行わない」とする日本学術会議の声明(1950年、1967 年)の趣旨・背景から始め、現在までに明らかにされている日本学術会議の見解を土台として、防衛装備庁の研究資金制度に関わる事実関係について明らかにし、「将来の装備品に適用可能な独創的な基礎技術の発掘・育成を目的とする」本制度がアカデミア、研究機関や研究者個人及び社会にどのような影響を与えうるのか、について様々な視点から多様な立場と考え方について認識を深め、冷静かつフラットに議論を行う事を目的とする。