[CLS2-3] Prosthetic treatment strategies for root fracture ~Selection criteria for intentional replantation, tooth autotransplantation, and prosthetic treatment for missing teeth~
[Abstract]
『公益財団法人8020推進財団 第2回永久歯の抜歯原因調査報告書』によると,(歯根破折を含む)歯の破折は40歳以上の全世代において,齲蝕・歯周病に次ぐ抜歯の原因であることが示されてる.特に我々補綴医にとって,歯根破折は日常臨床において高頻度に認められる病態であり,その対応に苦慮することは言うに及ばない.
歯根破折への対応として,まずは破折部の接着を試みることが多いと考える.また,条件次第では意図的再植術(以下,再植)が適用できることも知られている.しかし,破折部の接着には材料学的に限界があること,再植は術式の困難さならびに成功率の低さから敬遠されがちであると想像する.そのため,破折歯の保存を早期に断念して抜歯を選択するも場合も多い.一方で,破折歯を抜歯した後,健全な智歯を有しており,かつ条件が合致すれば歯の移植(以下,移植)が,智歯を有さない場合には一般的な欠損補綴治療が選択されている.では,再植・移植・欠損補綴治療について,我々補綴医はどのように取捨選択すべきであろうか?その判断基準はいまだ不明であると言える.
そこで本講演では,歯根破折を生じた場合の補綴治療戦略として,①破折歯を保存する場合,②破折歯を抜歯した場合に分けて,それぞれ現時点でわかっていることについて私見を交えて解説したい.本講演を通して,歯根破折に対する保存治療ならびに欠損補綴治療の具体的な選択基準について少しでも理解が深まれば幸いである.
トピックス
●意図的再植術
●合併症
●意図的再植術の意思決定
『公益財団法人8020推進財団 第2回永久歯の抜歯原因調査報告書』によると,(歯根破折を含む)歯の破折は40歳以上の全世代において,齲蝕・歯周病に次ぐ抜歯の原因であることが示されてる.特に我々補綴医にとって,歯根破折は日常臨床において高頻度に認められる病態であり,その対応に苦慮することは言うに及ばない.
歯根破折への対応として,まずは破折部の接着を試みることが多いと考える.また,条件次第では意図的再植術(以下,再植)が適用できることも知られている.しかし,破折部の接着には材料学的に限界があること,再植は術式の困難さならびに成功率の低さから敬遠されがちであると想像する.そのため,破折歯の保存を早期に断念して抜歯を選択するも場合も多い.一方で,破折歯を抜歯した後,健全な智歯を有しており,かつ条件が合致すれば歯の移植(以下,移植)が,智歯を有さない場合には一般的な欠損補綴治療が選択されている.では,再植・移植・欠損補綴治療について,我々補綴医はどのように取捨選択すべきであろうか?その判断基準はいまだ不明であると言える.
そこで本講演では,歯根破折を生じた場合の補綴治療戦略として,①破折歯を保存する場合,②破折歯を抜歯した場合に分けて,それぞれ現時点でわかっていることについて私見を交えて解説したい.本講演を通して,歯根破折に対する保存治療ならびに欠損補綴治療の具体的な選択基準について少しでも理解が深まれば幸いである.
トピックス
●意図的再植術
●合併症
●意図的再植術の意思決定