[CSS2-2] Basics of diagnosis and treatment of temporomandibular joint disorder
[Abstract]
顎関節症の臨床の歴史は古く,顎関節の機能障害が歯科疾患として世界的に認知されてから,すでに90年近くが経つ.その間,顎関節症の概念,診断および治療法は変遷を重ね,日本補綴歯科学会においても多くの議論がなされてきた.
2010年に米国歯科研究学会(AADR)から顎関節症の診断と治療に関する基本声明が発表されると,顎関節症は「いくつかの病態からなる包括的名称」であり,「生物心理社会モデルの枠における多因子性の疾患」,「症状の自然消退が期待できる疾患」と理解されようになった.そのため,治療においては,病態診断と推測される原因に基づいて個々の患者に適した方法を選択し,可逆的な保存療法を優先して行うことが強く推奨されている.
我が国でも,本学会や日本顎関節学会などの関連学会において,現時点における最も標準的な見解として受け入れられている.その内容は卒前の歯学教育にも反映されており,近年の歯科医師国家試験でも多数出題されていることから,新規の歯科医師は一定の知識を有していると考えられる.しかし,顎関節症は症例によってその原因や症状,病態が多様であり,治療法も多岐にわたる.そのため,治療を始めた若い先生からは,「顎関節症の治療は難しい」「何から始めればいいかよく分からない」などの声を多く聞く.
そこで本講演では,顎関節症治療の専門医というよりは,補綴専門医を目指す若手歯科医師が,顎関節症の診断や治療法の選択,アプライアンス療法において押さえてほしい基本的な内容についてお話させていただく.
トピックス
●顎関節症
●治療法選択
●アプライアンス療法
顎関節症の臨床の歴史は古く,顎関節の機能障害が歯科疾患として世界的に認知されてから,すでに90年近くが経つ.その間,顎関節症の概念,診断および治療法は変遷を重ね,日本補綴歯科学会においても多くの議論がなされてきた.
2010年に米国歯科研究学会(AADR)から顎関節症の診断と治療に関する基本声明が発表されると,顎関節症は「いくつかの病態からなる包括的名称」であり,「生物心理社会モデルの枠における多因子性の疾患」,「症状の自然消退が期待できる疾患」と理解されようになった.そのため,治療においては,病態診断と推測される原因に基づいて個々の患者に適した方法を選択し,可逆的な保存療法を優先して行うことが強く推奨されている.
我が国でも,本学会や日本顎関節学会などの関連学会において,現時点における最も標準的な見解として受け入れられている.その内容は卒前の歯学教育にも反映されており,近年の歯科医師国家試験でも多数出題されていることから,新規の歯科医師は一定の知識を有していると考えられる.しかし,顎関節症は症例によってその原因や症状,病態が多様であり,治療法も多岐にわたる.そのため,治療を始めた若い先生からは,「顎関節症の治療は難しい」「何から始めればいいかよく分からない」などの声を多く聞く.
そこで本講演では,顎関節症治療の専門医というよりは,補綴専門医を目指す若手歯科医師が,顎関節症の診断や治療法の選択,アプライアンス療法において押さえてほしい基本的な内容についてお話させていただく.
トピックス
●顎関節症
●治療法選択
●アプライアンス療法