[ES5-3] Rethink upper airway from an anatomical point of view – Endoscopy, Videofluorography, Gross Anatomy –
[Abstract]
嚥下障害や閉塞性睡眠時無呼吸症の診断や治療を考えるうえで,関連する筋群の形態の理解が重要であることは疑いの余地がない.しかし,実際に教科書や過去の研究を遡ってみると,それらの筋群について詳細な記述がなされていないのではないかと考えた.そこで,我々は口腔・咽頭筋群の筋束の走行を中心に解剖学的研究を進めてきた.口腔から中咽頭にかけての領域では,頰筋と上咽頭収縮筋の筋束は翼突下顎縫線を介さずに直接連続し,さらにその頰筋の起始腱の一部は咀嚼筋の一つである側頭筋腱と腱を共有していた.また,軟口蓋の上面においては,これまで輪走筋と考えられてきた上咽頭収縮筋と縦走筋と考えられてきた口蓋咽頭筋が平行に走行していること,また,口蓋咽頭筋は単なる縦走筋ではなく,咽頭側壁を放射状に広がっていることも明らかとなってきた.
嚥下障害や閉塞性睡眠時無呼吸症には,咽頭の筋群の三次元的な広がりはもとより,これまであまり検討されてこなかった頰筋や咀嚼筋群などの口腔における筋群も関与している可能性が示唆された.口腔から咽頭にかけての筋群の理解を深めていくことが,今後の診断や治療に必須であると考えられる.
嚥下障害や閉塞性睡眠時無呼吸症の診断や治療を考えるうえで,関連する筋群の形態の理解が重要であることは疑いの余地がない.しかし,実際に教科書や過去の研究を遡ってみると,それらの筋群について詳細な記述がなされていないのではないかと考えた.そこで,我々は口腔・咽頭筋群の筋束の走行を中心に解剖学的研究を進めてきた.口腔から中咽頭にかけての領域では,頰筋と上咽頭収縮筋の筋束は翼突下顎縫線を介さずに直接連続し,さらにその頰筋の起始腱の一部は咀嚼筋の一つである側頭筋腱と腱を共有していた.また,軟口蓋の上面においては,これまで輪走筋と考えられてきた上咽頭収縮筋と縦走筋と考えられてきた口蓋咽頭筋が平行に走行していること,また,口蓋咽頭筋は単なる縦走筋ではなく,咽頭側壁を放射状に広がっていることも明らかとなってきた.
嚥下障害や閉塞性睡眠時無呼吸症には,咽頭の筋群の三次元的な広がりはもとより,これまであまり検討されてこなかった頰筋や咀嚼筋群などの口腔における筋群も関与している可能性が示唆された.口腔から咽頭にかけての筋群の理解を深めていくことが,今後の診断や治療に必須であると考えられる.