The 133rd Annual Meeting of the Japan Prosthodontic Society / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

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Oral Presentation

On-site

Oral Presentation 4
Fixed Partial Denture

Sat. Jul 6, 2024 2:50 PM - 3:20 PM Room 3 (Makuhari Messe International Conference Hall 2F 201)

Chair: Takumi Ogawa (Tsurumi University)

[O1-11] Thermal stress behavior in restorative materials using finite element method

*Kohei Komine1, Natsuko Murakami1, Toshiki Yamazaki1, Miwona Utsumi1, Bin Li1, Junichiro Wada1, Noriyuki Wakabayashi1 (1. Advanced Prosthodontics, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University)

[Abstract]
【目的】
 修復材料は固有の熱特性を有し,飲食による口腔内の温度変化は,支台歯と修復物の異なる熱膨張を引き起こし,熱応力が生じる.繰り返される熱応力は修復物の破折,セメント破壊による二次う蝕や,脱離の原因となると考えられている.本研究では,異なる材料と厚みを有する歯冠修復材料において,熱負荷により生じる熱応力を分析し,材料特有の熱負荷のリスクを明らかにすることを目的とした.
【方法】
 有限要素解析ソフトウェア(ANSYS2022R1, ANSYS Inc.)を用いて異なる厚みを有するクラウン(0.5, 1.0, 1.5mm)で修復された支台歯の3次元有限要素モデルを構築し,修復材料はジルコニア,金合金,硬質レジン, セメント層にはレジンセメント,支台歯には象牙質の材料定数を用いた (Fig.1-a).初期温度は口腔内を想定した37℃とし,支台歯底面を37℃に固定,クラウンと支台歯外表面に5℃の冷負荷と60℃の熱負荷を加えた際の温度変化を,過渡伝熱解析により算出し,5秒経過時の温度分布を用いて,静的構造解析により第一主応力を算出した(Fig.1-b).
【結果と考察】
 クラウンおよびセメントのマージン付近における第一主応力については,冷負荷において,第一主応力はクラウンのマージン部外側(b)に集中し,クラウン内面は外面よりも低い傾向を認めた(Fig.2上).最大値はジルコニアで最も高く,次に金合金,硬質レジンであり,材料のヤング率の高さの順と一致する傾向を示した.一方熱負荷では,第一主応力はクラウンマージン部にはほとんど集中せず,マージン相当部のセメントに第一主応力の集中を認め,硬質レジンで最も高い値を示した.これは,クラウンの熱膨張係数の高さが主に影響していると考えられた.ジルコニアと金合金のクラウンでは,厚みの増加に伴い第一主応力の値は減少したが,硬質レジンは厚みが増加しても応力値に大きな変化を認めなかった.歯冠修復材料において,冷負荷と熱負荷では,収縮と膨張挙動が異なるため,応力集中部位が異なる.修復材料の厚みの増加は熱応力を減少させる傾向があるが,硬質レジンは異なる挙動を示す事より,熱応力の影響を評価する上で,各熱特性と機械的特性を考慮する必要性が示唆された.