The 133rd Annual Meeting of the Japan Prosthodontic Society / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

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Poster Presentation

On-site

Oral Function

Sun. Jul 7, 2024 12:00 PM - 1:00 PM Poster Session Hall (Makuhari Messe International Conference Hall 2F Convention Hall B)

[P-102] Correlation between the number of chews during eating and BMI using wearable chewing frequency measurement device

*Takahiro Sakaue1, Shinji Togo1, Gentaro Takeda1, Arata Tsutsuii1, Yoshiaki Matsuda1, Yoshihiro Suzuki1, Mami Shibusawa1, Sato Takeshi1, Atsushi Shimada1, Kazuhiko Takayama1, Tomotaka Takeda1, Keiichi Ishigami1, Kazunori Nakajima1 (1. Division of sports dentistry, department oral health and clinical science, Tokyo Dental Collage)

[Abstract]
【目的】
 肥満は糖尿病や脂質異常症・高血圧症・心血管疾患などの生活習慣病をはじめとした多くの疾患のリスクファクターであり、健康づくりにおいて肥満の予防・対策は重要であることは周知のことと思われる。「肥満症治療ガイドライン2022」では肥満治療における行動療法の1つとして咀嚼法が挙げられており、肥満症患者は一口量が多く咀嚼回数が少ないため早食いとなり、満腹感が十分に得られず食事量が多くなる傾向にあるが、普段の食生活における咀嚼行動は消費カロリーや体重の変動に影響があるため、咀嚼行動の改善は肥満の解消が期待できる。こういった背景から近年では、日々の食生活のモニタリングツールとして多くのウェアラブルデバイスが開発されているものの、これまで咀嚼行動とBody Mass Index(BMI)を代表とする肥満の関連性については、自己記入式質問票や目視による評価が多く、ウェアラブルデバイスを用いた評価が少ないのが現状である。そこで本研究は、新規開発されたウェアラブルデバイスを用い、おにぎり摂食における咀嚼回数とBMIとの関連性についての検討を目的とし行った。
【方法】
 対象は顎口腔系に異常を認めず実験内容に同意の得られた健康成人60名(平均年齢:23.05 ± 6.64歳)を対象とした。咀嚼回数の計測にはウェアラブル咀嚼回数計測機器(CAM Counter, コンピューター・ハイテック, 東京)を使用し、おにぎり1個(約110g, 175kcal)の自由咀嚼を指示し、摂食中の咀嚼回数を計測した。また自記式アンケート調査による基本属性評価(身長・体重・顎口腔系の自覚的異常の有無)からBMIを算出した。統計解析はSPSSを使用し、咀嚼回数とBMIに対しWilcoxon順位和検定およびピアソンの相関係数を算出した。有意水準は5%とした。なお、本研究は東京歯科大学倫理委員会(承認番号No.611)の承認を得ている。
【結果と考察】
 咀嚼回数とBMIの間に統計的に有意な負の相関(相関係数r = -0.433)がみられ、肥満傾向の強い被験者において咀嚼回数が少なくなることが明らかとなった。早食いは摂食に関するホルモンの分泌により食欲の抑制が起こりにくいとされるが、咀嚼行動のより詳細な評価を行うためには一食における咀嚼回数だけではなく、咀嚼速度や咀嚼時間、また一口量や一口あたりにおける計測が必要なものと思われる。