[P-106] 習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側における口腔機能と基準平面との関係性
[Abstract]
【目的】
習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側との間には機能的な差があるとされており,口腔機能の評価では習慣性咀嚼側が用いられているが,口腔機能と基準平面との関係についての評価はされていない.そこで,本研究では習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側における口腔機能と基準平面との関係性を検討した.
【方法】
対象者は歯科矯正治療歴および咬合面に対する歯科治療歴がない健常有歯顎者24名(男性15名,女性9名,平均年齢24.6 ± 1.8歳)とした.測定は咀嚼能力,咬合力および基準平面について行った.咀嚼能力はグルコセンサーⓇを用いて左右側1回ずつ測定を行った.咬合力はデンタルプレスケールⅡⓇを用いて3秒間の嚙みしめを指示し,バイトフォースアナライザーⓇで測定を行った.基準平面の測定は咬合平面設定板を改良し,カンペル平面,フランクフルト平面および上顎咬合平面を測定する3平面測定装置を考案し,各基準平面のなす角度を左右側面観で測定した.測定項目はカンペル平面とフランクフルト平面とのなす角度(以下,CP-FP),カンペル平面と上顎咬合平面とのなす角度(以下,CP-OP)およびフランクフルト平面と上顎咬合平面とのなす角度(以下,FP-OP)とした.統計解析は習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側における基準平面と咀嚼能力,咬合力の関係,および咀嚼能力と咬合力の関係をPearsonの相関係数およびSpearmanの順位相関係数で求めた.咀嚼能力,咬合力および基準平面における習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側の比較は,対応のあるt検定およびWilcoxonの符号付順位検定で分析した.なお,本研究は日本歯科大学新潟生命歯学部倫理審査委員会の承認を得て対象者に同意を得て行った(許可番号:ECNG-R-490).
【結果と考察】
習慣性咀嚼側において咀嚼能力とCP-OPとの間で弱い正の相関を認めた(r = 0.43, p < 0.05).咀嚼能力は習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側との間に有意な差を認めた(p < 0.01).習慣性咀嚼側では咬筋の体積が大きく,走行角度が垂直に近いとされており,CP-OPの角度が大きくなることで,咀嚼時の力がかかりやすくなったためと考えられた.本研究の結果,咀嚼能力はカンペル平面に対する咬合平面の前後的傾斜により変化することが示唆された.また,咀嚼能力は習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側との間で差があることが明らかとなった.
【目的】
習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側との間には機能的な差があるとされており,口腔機能の評価では習慣性咀嚼側が用いられているが,口腔機能と基準平面との関係についての評価はされていない.そこで,本研究では習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側における口腔機能と基準平面との関係性を検討した.
【方法】
対象者は歯科矯正治療歴および咬合面に対する歯科治療歴がない健常有歯顎者24名(男性15名,女性9名,平均年齢24.6 ± 1.8歳)とした.測定は咀嚼能力,咬合力および基準平面について行った.咀嚼能力はグルコセンサーⓇを用いて左右側1回ずつ測定を行った.咬合力はデンタルプレスケールⅡⓇを用いて3秒間の嚙みしめを指示し,バイトフォースアナライザーⓇで測定を行った.基準平面の測定は咬合平面設定板を改良し,カンペル平面,フランクフルト平面および上顎咬合平面を測定する3平面測定装置を考案し,各基準平面のなす角度を左右側面観で測定した.測定項目はカンペル平面とフランクフルト平面とのなす角度(以下,CP-FP),カンペル平面と上顎咬合平面とのなす角度(以下,CP-OP)およびフランクフルト平面と上顎咬合平面とのなす角度(以下,FP-OP)とした.統計解析は習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側における基準平面と咀嚼能力,咬合力の関係,および咀嚼能力と咬合力の関係をPearsonの相関係数およびSpearmanの順位相関係数で求めた.咀嚼能力,咬合力および基準平面における習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側の比較は,対応のあるt検定およびWilcoxonの符号付順位検定で分析した.なお,本研究は日本歯科大学新潟生命歯学部倫理審査委員会の承認を得て対象者に同意を得て行った(許可番号:ECNG-R-490).
【結果と考察】
習慣性咀嚼側において咀嚼能力とCP-OPとの間で弱い正の相関を認めた(r = 0.43, p < 0.05).咀嚼能力は習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側との間に有意な差を認めた(p < 0.01).習慣性咀嚼側では咬筋の体積が大きく,走行角度が垂直に近いとされており,CP-OPの角度が大きくなることで,咀嚼時の力がかかりやすくなったためと考えられた.本研究の結果,咀嚼能力はカンペル平面に対する咬合平面の前後的傾斜により変化することが示唆された.また,咀嚼能力は習慣性咀嚼側と非習慣性咀嚼側との間で差があることが明らかとなった.