[P-16] Examination of front and side view of the distance between subnasal and gnathion in older adults using noncontact three-dimensional measurement device
[Abstract]
【目的】
デジタル技術を応用した歯科治療は発展しており,CAD/CAM技術を応用した義歯製作が可能となっている.しかし,咬合採得の方法については,まだデジタル応用されておらず,義歯製作のデジタル化のさらなる発展には,デジタル技術を応用した咬合採得法について検討することが必要である.これまで,非接触型三次元形状計測装置を用いた正面観の顔面計測法では,固定した状態で非接触型三次元形状計測装置を用いると実測値と有意差のない測定値が得られることを報告した.本研究の目的は,三次元顔貌データにおける鼻下点・オトガイ間距離の正面観と側面観の比較検討を行うことで,非接触型三次元形状計測装置を用いた咬合高径決定法について検討することである.
【方法】
被験者は,日本歯科大学新潟病院に通院している65歳以上の患者6名(男性3名,女性3名,平均年齢78.5歳±5.0歳)とし,研究について説明を行い同意を得たうえで行った.測定に際し,被験者に座位,自然頭位の状態で咬頭嵌合位を保つように指示し,非接触型三次元形状計測装置(FACE SCANNER SNAP®)を用いて顔貌のスキャンを行った.顔貌のスキャンは,非接触型三次元形状計測装置を顔貌から30cm離れた位置に固定し,回転椅子に座った状態の被験者を1秒間に45度回転させて行った.測定項目は鼻下点・オトガイ間距離とした.スキャン後構築された三次元顔貌データの正面観と側面観において,画像解析ソフト(ImageJ®)を用いて鼻下点・オトガイ間距離を測定し,実測値と比較検討した.測定はそれぞれ3回行い,それぞれの平均値を求めた.測定結果の分析には,実測値,正面観と側面観における鼻下点・オトガイ間距離に対して一元配置分散分析を行い,有意となった因子に関してBonferroniの多重比較検定を行った.
【結果と考察】
正面観の鼻下点・オトガイ間距離の平均値は47.47㎜,側面観の鼻下点・オトガイ間距離の平均値は46.06㎜,実測値の鼻下点・オトガイ間距離の平均値は47.30㎜であった.側面観の鼻下点・オトガイ間距離が,実測値および正面観の値より有意に小さな値を示した(p<0.05).本研究の結果から,非接触型三次元形状計測装置を固定して用いて咬合高径決定を行う際には、三次元顔貌データ上の正面観を用いた方が有用である可能性が示唆された.
【目的】
デジタル技術を応用した歯科治療は発展しており,CAD/CAM技術を応用した義歯製作が可能となっている.しかし,咬合採得の方法については,まだデジタル応用されておらず,義歯製作のデジタル化のさらなる発展には,デジタル技術を応用した咬合採得法について検討することが必要である.これまで,非接触型三次元形状計測装置を用いた正面観の顔面計測法では,固定した状態で非接触型三次元形状計測装置を用いると実測値と有意差のない測定値が得られることを報告した.本研究の目的は,三次元顔貌データにおける鼻下点・オトガイ間距離の正面観と側面観の比較検討を行うことで,非接触型三次元形状計測装置を用いた咬合高径決定法について検討することである.
【方法】
被験者は,日本歯科大学新潟病院に通院している65歳以上の患者6名(男性3名,女性3名,平均年齢78.5歳±5.0歳)とし,研究について説明を行い同意を得たうえで行った.測定に際し,被験者に座位,自然頭位の状態で咬頭嵌合位を保つように指示し,非接触型三次元形状計測装置(FACE SCANNER SNAP®)を用いて顔貌のスキャンを行った.顔貌のスキャンは,非接触型三次元形状計測装置を顔貌から30cm離れた位置に固定し,回転椅子に座った状態の被験者を1秒間に45度回転させて行った.測定項目は鼻下点・オトガイ間距離とした.スキャン後構築された三次元顔貌データの正面観と側面観において,画像解析ソフト(ImageJ®)を用いて鼻下点・オトガイ間距離を測定し,実測値と比較検討した.測定はそれぞれ3回行い,それぞれの平均値を求めた.測定結果の分析には,実測値,正面観と側面観における鼻下点・オトガイ間距離に対して一元配置分散分析を行い,有意となった因子に関してBonferroniの多重比較検定を行った.
【結果と考察】
正面観の鼻下点・オトガイ間距離の平均値は47.47㎜,側面観の鼻下点・オトガイ間距離の平均値は46.06㎜,実測値の鼻下点・オトガイ間距離の平均値は47.30㎜であった.側面観の鼻下点・オトガイ間距離が,実測値および正面観の値より有意に小さな値を示した(p<0.05).本研究の結果から,非接触型三次元形状計測装置を固定して用いて咬合高径決定を行う際には、三次元顔貌データ上の正面観を用いた方が有用である可能性が示唆された.