The 133rd Annual Meeting of the Japan Prosthodontic Society / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

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Poster Presentation

On-site

Removable Prosthodontics

Sat. Jul 6, 2024 12:00 PM - 1:00 PM Poster Session Hall (Makuhari Messe International Conference Hall 2F Convention Hall B)

[P-20] Fabrication of complete denture utilized central bearing tracing device

*shohei nishida2, Kazutaka Tabata2, Kentaroh Nakamura1, Morimasa Yamamoto1 (1. Tokai Branch, 2. Kansai branch)

[Abstract]
【緒言】
 全部床義歯の歯科技工においては,指標となる情報が乏しいことから,咬合床の高さ,人工歯排列位置の設定が困難であり,完成した義歯が適正かを検査する方法がない. そこで今回セントラルベアリングトレーシングデバイス(以下CBTD)を現義歯に用いて適正な垂直的,水平的顎間関係を咬合器上に再現し,さらに新義歯装着時にもCBTDを用いることで,早期接触の検査と調整が容易にできた全部床義歯症例を報告する.
【症例の概要・治療内容】
 患者は66歳女性.主訴は歯肉の疼痛および腫脹と顎堤周囲の疼痛による咀嚼困難であった.総合難易度評価はO3S1Y3でCDT4であった. 治療に先立ち,現義歯にCBTD(CBTD,東京歯材社,東京,日本)を設置し,下顎位置感覚測定法とセントラルベアリングポイントの確認による検査を行った.その結果,現義歯の咬合高径は低いと診断し,新義歯を新製する治療計画を立案し同意を得た. 新義歯製作にあたり,前途の検査結果を参考に咬合器装着し.咬合採得にCBTDを用い,下顎位置感覚測定法で垂直的顎間関係を,セントラルベアリングポイントで水平的顎間関係を採得し,新義歯を完成させた. 新義歯は顎堤の状態によって,義歯床の重合収縮による人工歯の移動が発生する場合があり,これを新義歯装着時に検査するために,新義歯に適合するCBTDを製作した.新義歯を装着しタッピングを行わせると濁った音だった為,現義歯にCBTDを固定し、早期接触の検査と咬合調整を行った.
【経過ならびに考察】
 全部床義歯作製にCBTDを用いた結果, 適切な垂直的,水平的顎間関係を咬合器に再現でき,咬合位の可視化ができたため,咬合床,人工歯排列にも反映することができた.義歯床の重合収縮による人工歯の移動から生じた早期接触の検査が,可視化できたことに より,新義歯装着時の咬合調整が容易であった.以上の結果から全部床義歯治療にCBTDを応用することは新義歯製作に有用であることが示唆された.
【参考文献】
安井栄,野首孝祠,中村喜美恵ほか.交換型スクリュージャックによる新しい顎間関係記録法.補綴誌 1995;39:737-45. 津留宏道,河村久輝,山崎達夫ほか.MKGを用いた各種顎間垂直距離決定法の比較に関する実験的研究.補綴誌 1981;25:1-7.