Fixed Partial Denture

[P-41] Three-dimensional reliability of natural head position using generalizability theory

*Mitsuha Yamasaki¹, Masaki Sato¹, Kosuke Kashiwagi¹, Yurie Shinozaki¹, Shohei Itoda¹, Yusuke Tsumori¹, Junko Tanaka¹ (1. Department of Fixed Prosthodontics and Occlusion, Osaka Dental University)

[Abstract]
【目的】
　歯科矯正学領域のセファロ分析では，生物学的変動を受けにくい頭蓋外基準として，自然頭位（NHP）における水平面が基準平面として用いられている．また顔貌分析時にNHPにおける水平面を基準平面として用いると，瞳孔線や口角線の傾斜を含む俯瞰的な審美分析が可能であるとされているが，NHPの3次元における信頼性に関する報告は少ない．本研究では，歯科用フェイススキャニングシステムを用いて決定したNHPについて，一般化可能性理論を用いた分析を行い，その信頼性と測定誤差を明らかにすることを目的とした．
【方法】
　健常有歯顎者13名（男性6名，女性7名，平均年齢27.0±3.0歳）に対し歯科用フェイススキャナー（Face Hunter, Zirkonzahn）を用いて顔貌のスキャニングを行った．NHP検出装置（PlaneFinder，Zirkonzahn）を用いて同一被験者に2日間で3回ずつ測定を実施し，NHPにおける顔貌モデルを採得した．CAD ソフトウェア（Rhino 7，Robert Mc Neel &Associates）を用いてCamper平面に対して平行で，左右側の耳珠上縁を長辺とする長方形を作図し，その長辺と短辺が基準平面となす角をｙ軸回りのroll角，ｘ軸回りのpitch角，ｚ軸回りのyaw角として算出した．各被験者のroll角，pitch角，yaw角を従属変数として，測定日と測定回数を2相とする一般化可能性研究を行った．得られた分散成分から決定研究を実行し，測定条件を変化させた際の信頼度指数と，測定誤差を表す測定の標準誤差（SEM）及び最小可検変化量の95％信頼区間（MDC₉₅）を算出した．
【結果と考察】
　一般化可能性研究の分散成分推定値から，いずれの角度においても被験者内の分散成分が全体に占める割合が最も大きく,続いて被験者と測定日の交互作用,残差の相が信頼性に及ぼす影響が大きい傾向が示された．決定研究では，測定回数よりも測定日を増加させる方が測定平均値の信頼度指数が上昇する傾向を示した．測定日2日，測定回数3回の平均値の信頼度指数，SEMとMDC₉₅はそれぞれ，roll角で0.71，0.57°，1.59°，pitch角で0.87，1.23°，3.42°，yaw角で0.93，0.55°，1.52°を示し，回転軸によって自然頭位の信頼性と測定誤差が異なる傾向を示した．