The 133rd Annual Meeting of the Japan Prosthodontic Society / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

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Poster Presentation

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Biology and Biomaterials

Sun. Jul 7, 2024 12:00 PM - 1:00 PM Poster Session Hall (Makuhari Messe International Conference Hall 2F Convention Hall B)

[P-92] Influence of primer components on the bond strengths of resin cements to silica-coated zirconia

*Fumika Tsuda1, Keiichi Yoshida2, Takashi Sawase1 (1. Department of Applied Prosthodontics, Graduate School of Biomedical Sciences, Nagasaki University, 2. Clinic of Fixed Prosthodontics, Nagasaki University Hospital)

[Abstract]
【目的】
 コンポジット系レジンセメントはセルフアドヒーシブ型とプライマー併用型の2種類に分類される.また,多数のセラミックプライマー製品が発売され成分は異なる.そこで,試作したプライマー成分が2種類のレジンセメントのシリカコーティングしたジルコニアとの引張接着強さに及ぼす影響を検討した.
【方法】
 板状の高透光性Aadva Zirconia NT(ジーシー)表面をgrit#1,200耐水研磨紙で研削後,マイクロエッチャーII(モリムラ)を使用し,平均粒径 30 µm のRocatec Soft (3M ESPE)を0.28 MPa噴射圧でブラスティングした.レジンセメントはジーセムリンクフォース(GCLF, ジーシー)とジーセムONE EM(GCOEM, ジーシー)の2製品を使用した.プライマーは精製水溶媒に3 wt%シラン含有(S,信越化学),エタノール溶媒に10-methacryloyloxydecyl dihydrogen phosphate(MDP,クラレノリタケデンタル)4wt%含有,3 wt%シランと4 wt% MDP含有(S+MDP)の3つを試作し,プライマー無はNoneとした.直径4 mmの穴を開けたテープをジルコニアに貼付し各プライマーを塗布した.次に,SUS304ロッドを各レジンセメントで接着し,LED光照射器(ペンキュア,モリタ)でジルコニア面から40秒間光照射した.37℃蒸留水に24時間浸漬した試験片(TC0)と,その後4℃と60℃の水槽に交互に1分間浸漬するTCを1万回行った試験片(TC10,000)も作製した.測定はオートグラフ(島津,AGS-10kNG)を用い,クロスヘッドスピード0.5 mm/minで引張接着強さを算出した.
【結果と考察】
 結果を図に示した.GCLFとGCOEMいずれもSとMDPはNoneと比較して接着強さが向上し,Sの方がMDPより高い接着強さを示した.一方,S+MDPはTC0では,GCLFとGCOEMいずれもSと同等か低い接着強さを示したのに対し,TC10,000では,Sは接着強さが大きく低下し,S+MDPの方が有意に高い値を示した上に接着耐久性も認められた.シリカコーティングしたジルコニア表面にはシリカ層だけでなく基板のジルコニアも存在する.したがって,S+MDPはMDPがジルコニアと強固に接着し,シランの加水分解による接着性低下を防いだと考えられる.