Symposium 6
Beyond biomimetics -Prosthetics and biomimetics-

[SY6-1] New biomaterial design through multi-hierarchical bone tissue mimetics

*Takuya Matsumoto¹ (1. Okayama University)

[Abstract]
現在，デンタルインプラントは成功率の高い治療として広く認識されており，一連の治療の流れもよく確立されている．一方で，長い治療期間や感染制御など改善が必要な問題も依然として残っているのが現状である．治療期間が長くなる要因の一つが骨増生やオッセオインテグレーションといった骨形成に関する点であることから，骨形成期間の短縮は，デンタルインプラントの総合的な治療期間短縮を実現するうえで重要なアプローチと言える．骨形成についてはこれまでから多くの研究がされており，骨芽細胞，破骨細胞といった細胞生物学的理解のみならず，これらに関連したさまざまな分子機構が広く報告されている．しかし，これら分子が種々活性化された結果，どのように無機成分や有機成分の生成，複合化，さらには機能的な骨へと帰結するのかという実質組織のナノからマクロ構造の変化は実はよく理解されていない．より機能的な骨実質組織を早期に構築する技術確立を目指すにあたり，これら骨実質組織の発生，成長変化を材料学的検討も組み入れ，階層横断的に検討することは有効であると我々は考えている．本講演では，この骨実質組織発生，成長過程の詳細な再検討，ならびにここで得られた新たな知見を元に，我々が模倣し，進めている骨形成促進，その他応用に向けた新たな技術，材料について，最新知見も加えて紹介，議論させていただければ幸いです．

トピックス
●骨
●バイオマテリアル
●多階層模倣