第50回日本理学療法学術大会

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ポスター

調査研究 ポスター2

神経理学療法

Fri. Jun 5, 2015 1:50 PM - 2:50 PM ポスター会場 (展示ホール)

[P1-B-0083] 脳卒中片麻痺を伴う頚髄症患者に対してインソールを作製した一例

フットプリントによる縦断的経過報告

三上英里子, 今井大樹 (医療法人ひまわり会札樽病院)

Keywords:頚髄症, 足部, インソール

【目的】今回,当院に入院した脳卒中片麻痺を伴う,頚髄症患者に対し,歩行安定性の向上を目的に,インソールを作製した。インソール作製時に採取したフットプリントを,作製・退院後も採取し,縦断的に調査したので報告する。
【方法】症例は,平成24年3月から7月まで当院回復期病棟に入院された60代男性。平成19年に脳梗塞右片麻痺(Brunnstrom stage:上肢V,手指V,下肢IV)を受傷し,独歩にて自立されていた。今回,後縦靭帯骨化症による頚髄症と診断され,椎弓形成術を施行。インソール作製時の移動能力は,歩行車を使用し院内自立。主訴はふらふらする,Demandsは一人でちゃんと歩けるようになりたい。方法は,NPOオーソティックスソサエティーが規定する方法に則り,DYMOCOインソールを作製するため,足サイズ計測(非荷重位での足幅・足囲,荷重位での足長・足幅・足囲)とフットプリントを採取した。フットプリントは,初回時,インソール作製から1ヶ月後,2ヶ月後(退院時),3か月後(退院から1ヶ月後),1年半後(退院から1年4ヶ月後)に採取した。なお,インソール作製後の靴は,入院中は1日平均6単位以上のリハビリテーション時に使用,退院後は週3回2単位ずつの通所リハビリテーションに加え,週1回のデイサービスと1日2回の自宅周辺の散歩の際に使用していた。
【結果と考察】初回時のフットプリント所見において,左足では中足部~後足部の過回外傾向,右足では第4・5趾の浮き趾と踵部接地面積の狭小を認めた。インソール作製から2ヶ月後には,これらが改善し,インソール作製から3ヶ月後,1年半後では,リハビリテーションや活動機会が減少したにも関わらず,インソールを作製した靴を使用していたことにより,退院時の足部状態を維持することができていた。今回の縦断的なフットプリント評価から,足部状態の改善や維持のために,インソールを有用していけるのではないかと考える。