[P1-C-0072] 低心機能の高齢心疾患利用者に包括的心臓リハビリテーションが有用であった一例
介護老人保健施設での心臓リハビリテーションの可能性
キーワード:低心機能, 包括的心臓リハビリテーション, 介護老人保健施設
【目的】
慢性心不全患者が年々増加する中,生活期においても理学療法士による利用者や家族への指導が心不全増悪による再入院率を低下させ,生活の質を高める可能性を有している。今回,低心機能の高齢心疾患利用者の自立支援型包括的心リハが有益であった症例を経験したので報告する。
【症例提示】
症例は80歳代女性。娘夫婦と3人暮らし。診断名は慢性心不全急性増悪,拡張型心筋症。現病歴は過去2年間に心不全で4度再入院し,平成25年4月A病院にてCRT-P植込術施行後,リハ目的でコスモス病院に転入院し6月に退院。入浴介助で要支援1の認定を受け,11月より週に1回,当通所リハを利用。家事は全て家族の支援。6MD:60m,BNP:629.3pg/ml,LVEF:19%。
【経過と考察】
まず,かかりつけ医からの心不全地域連携シートによる情報を基に,担当者会議にて本人や家族を含めた在宅支援スタッフに,心リハ指導士(理学療法士)が調整者となり,目標や日常生活や運動時のリスクを多職種で共有した。具体的な生活目標は家事(洗濯・掃除)の実施,美容院等への外出として自立支援するプログラムを設定した。運動療法は,起立練習や屋内・屋外の歩行練習,自宅での家事動作を想定して動作練習や指導を行った。リスク管理はSpO2計でのモニタリングと旧Borg指数を目安にし,中止基準はガイドラインに基づき実施した。自宅での運動を指導し,記録用紙で継続と自己管理を促した。ヘルパーは残存能力を活かした介護を徹底し,ケアマネジャーはサービス内容の定期的な見直しや,自宅訪問で本人や家族に目標の達成状況を確認した。その結果,利用から1年後には,6MD:260mへ改善し,BNP:82.8pg/mlと1年以上経過した現在も心不全増悪・再入院なく外出や家事などの役割も増えている。先行研究と同様,心不全増悪による再入院の予防や生活の質を高めるには,理学療法士が調整者となり多職種チームによる包括的介入が有効であったと考える。
慢性心不全患者が年々増加する中,生活期においても理学療法士による利用者や家族への指導が心不全増悪による再入院率を低下させ,生活の質を高める可能性を有している。今回,低心機能の高齢心疾患利用者の自立支援型包括的心リハが有益であった症例を経験したので報告する。
【症例提示】
症例は80歳代女性。娘夫婦と3人暮らし。診断名は慢性心不全急性増悪,拡張型心筋症。現病歴は過去2年間に心不全で4度再入院し,平成25年4月A病院にてCRT-P植込術施行後,リハ目的でコスモス病院に転入院し6月に退院。入浴介助で要支援1の認定を受け,11月より週に1回,当通所リハを利用。家事は全て家族の支援。6MD:60m,BNP:629.3pg/ml,LVEF:19%。
【経過と考察】
まず,かかりつけ医からの心不全地域連携シートによる情報を基に,担当者会議にて本人や家族を含めた在宅支援スタッフに,心リハ指導士(理学療法士)が調整者となり,目標や日常生活や運動時のリスクを多職種で共有した。具体的な生活目標は家事(洗濯・掃除)の実施,美容院等への外出として自立支援するプログラムを設定した。運動療法は,起立練習や屋内・屋外の歩行練習,自宅での家事動作を想定して動作練習や指導を行った。リスク管理はSpO2計でのモニタリングと旧Borg指数を目安にし,中止基準はガイドラインに基づき実施した。自宅での運動を指導し,記録用紙で継続と自己管理を促した。ヘルパーは残存能力を活かした介護を徹底し,ケアマネジャーはサービス内容の定期的な見直しや,自宅訪問で本人や家族に目標の達成状況を確認した。その結果,利用から1年後には,6MD:260mへ改善し,BNP:82.8pg/mlと1年以上経過した現在も心不全増悪・再入院なく外出や家事などの役割も増えている。先行研究と同様,心不全増悪による再入院の予防や生活の質を高めるには,理学療法士が調整者となり多職種チームによる包括的介入が有効であったと考える。