[P2-A-0399] 維持血液透析患者に対し包括的心臓リハビリテーションにより社会生活が可能となった症例の経験
Keywords:維持血液透析, 運動耐容能, 栄養状態
【目的】
近年透析患者の運動療法が推奨されるようになってきたが,透析患者は蛋白異化により栄養障害をきたしやすく,積極的な運動療法を行うには適切な栄養治療が必要であるとされている。今回,包括的心臓リハビリテーションにより栄養状態の改善と共に運動耐容能の向上が図れた症例を経験したので報告する。
【症例提示】
55歳より腎硬化症による慢性腎不全のため維持血液透析中の70歳代独居男性。自宅で意識消失している所を発見され,急性感染性心内膜炎による多発性脳梗塞,化膿性脊椎炎と診断され,大動脈弁置換・僧帽弁形成・三尖弁形成術を施行された。褥瘡・廃用によるADL低下があり,リハビリ継続目的で当院へ転院となった。
【経過と考察】
[転入院時現症]褥瘡(後頭,踵,仙骨部)により,長時間の座位歩行が困難な状態であった。独歩連続歩行距離80m(自覚的運動強度胸部13下肢15),30秒椅子立ち上がりテスト(以下CS30)不可,BMI 16.85,血液検査にて総蛋白6.2g/dl,血中アルブミン3.0g/dlであり,主観的包括アセスメント(SAG)判定で,軽度栄養不良状態であった。
他部門との情報共有を図りながら疲労状態にも考慮し,段階的に運動負荷を設定し,週5回理学療法を実施した。褥瘡・栄養・精神的な種々の合併症に対し包括的チームアプローチにより,栄養状態の改善,褥創の治癒,運動耐容能の向上が図れ,自宅退院可能となり,外来にて介入を継続し社会生活可能となった。[退院時現症]連続歩行500m(自覚的運動強度胸部11下肢13),CS3011回,心肺運動負荷試験peak O2 13.7ml/min/kg
廃用症候群に陥った維持血液透析症例に対する適切な運動療法と栄養治療を含む包括的リハビリテーションが,運動耐容能やQOLの向上に有用であることが示唆された。
近年透析患者の運動療法が推奨されるようになってきたが,透析患者は蛋白異化により栄養障害をきたしやすく,積極的な運動療法を行うには適切な栄養治療が必要であるとされている。今回,包括的心臓リハビリテーションにより栄養状態の改善と共に運動耐容能の向上が図れた症例を経験したので報告する。
【症例提示】
55歳より腎硬化症による慢性腎不全のため維持血液透析中の70歳代独居男性。自宅で意識消失している所を発見され,急性感染性心内膜炎による多発性脳梗塞,化膿性脊椎炎と診断され,大動脈弁置換・僧帽弁形成・三尖弁形成術を施行された。褥瘡・廃用によるADL低下があり,リハビリ継続目的で当院へ転院となった。
【経過と考察】
[転入院時現症]褥瘡(後頭,踵,仙骨部)により,長時間の座位歩行が困難な状態であった。独歩連続歩行距離80m(自覚的運動強度胸部13下肢15),30秒椅子立ち上がりテスト(以下CS30)不可,BMI 16.85,血液検査にて総蛋白6.2g/dl,血中アルブミン3.0g/dlであり,主観的包括アセスメント(SAG)判定で,軽度栄養不良状態であった。
他部門との情報共有を図りながら疲労状態にも考慮し,段階的に運動負荷を設定し,週5回理学療法を実施した。褥瘡・栄養・精神的な種々の合併症に対し包括的チームアプローチにより,栄養状態の改善,褥創の治癒,運動耐容能の向上が図れ,自宅退院可能となり,外来にて介入を継続し社会生活可能となった。[退院時現症]連続歩行500m(自覚的運動強度胸部11下肢13),CS3011回,心肺運動負荷試験peak
廃用症候群に陥った維持血液透析症例に対する適切な運動療法と栄養治療を含む包括的リハビリテーションが,運動耐容能やQOLの向上に有用であることが示唆された。