[P2-A-0439] 両側大腿骨頭壊死症に対して両側大腿骨頭前方回転骨切り術を施行した症例のJHEQによるQOL評価
Keywords:大腿骨頭壊死症, 大腿骨頭前方回転骨切り術, JHEQ
【目的】両側の大腿骨頭壊死症(ON)に対して,入院中に両側の大腿骨前方回転骨切り術(ARO)を施行した症例に,日本整形外科学会股関節疾患評価質問票(JHEQ)を用いてQOL評価を実施した。AROに対してJHEQを評価した報告はないため入院中のJHEQの推移を示し,有用性を検討した。
【症例提示】40代男性。2012年7月より顕微鏡的多発血管炎のためステロイド剤の内服開始し,2013年12月に両側ONと診断され,病型分類(Type)は左C-2,右C-1,病期分類は左Stage3,右Stage1であった。2014年2月に左AROを施行し同年4月に右AROを施行した。
【経過と考察】左AROを施行し,2病日に車いす移乗,33病日に部分荷重を開始した。50病日で右股関節のARO施行し,52病日に車いす移乗,78病日に部分荷重を再開した。129病日の最終評価を実施し,130病日に自宅退院となった。JHEQの推移(左ARO前→右ARO前→退院時)は「不満足度(mm)」82→69→0,「痛み(点)」7→22→28,「動作(点)」12→2→16,「メンタル(点)」24→28→28,「合計(点)」43→52→76であった。JHEQは股関節疾患の有用性が示されているが疾患別における差異の検討がなく問題視されているためARO後の有用性について検討した。左ARO前のJHEQは「不満足度VAS」が82mmであった。これは「痛み」,「動作」に減点を認めるため疼痛や股関節の関節可動域制限が影響していることが考えられた。右ARO前のJHEQでは左AROによって荷重時痛と動作時痛が軽減し「痛み」が改善したが「動作」は2点まで減少した。これは荷重制限による動作困難が原因と考えられた。よって「不満足度VAS」の改善は除痛効果であると考えた。退院時JHEQは「動作」のみ減点が残存した。これは主に股関節の関節可動域制限が影響していると考え,AROによる軟部組織の伸張や壊死部と臼蓋のimpingementが原因と考えた。JHEQはARO後の股関節機能を適切に反映しており,ARO後のQOL評価として有用であることが考えられた。
【症例提示】40代男性。2012年7月より顕微鏡的多発血管炎のためステロイド剤の内服開始し,2013年12月に両側ONと診断され,病型分類(Type)は左C-2,右C-1,病期分類は左Stage3,右Stage1であった。2014年2月に左AROを施行し同年4月に右AROを施行した。
【経過と考察】左AROを施行し,2病日に車いす移乗,33病日に部分荷重を開始した。50病日で右股関節のARO施行し,52病日に車いす移乗,78病日に部分荷重を再開した。129病日の最終評価を実施し,130病日に自宅退院となった。JHEQの推移(左ARO前→右ARO前→退院時)は「不満足度(mm)」82→69→0,「痛み(点)」7→22→28,「動作(点)」12→2→16,「メンタル(点)」24→28→28,「合計(点)」43→52→76であった。JHEQは股関節疾患の有用性が示されているが疾患別における差異の検討がなく問題視されているためARO後の有用性について検討した。左ARO前のJHEQは「不満足度VAS」が82mmであった。これは「痛み」,「動作」に減点を認めるため疼痛や股関節の関節可動域制限が影響していることが考えられた。右ARO前のJHEQでは左AROによって荷重時痛と動作時痛が軽減し「痛み」が改善したが「動作」は2点まで減少した。これは荷重制限による動作困難が原因と考えられた。よって「不満足度VAS」の改善は除痛効果であると考えた。退院時JHEQは「動作」のみ減点が残存した。これは主に股関節の関節可動域制限が影響していると考え,AROによる軟部組織の伸張や壊死部と臼蓋のimpingementが原因と考えた。JHEQはARO後の股関節機能を適切に反映しており,ARO後のQOL評価として有用であることが考えられた。