第50回日本理学療法学術大会

講演情報

ポスター

調査研究 ポスター6

教育/産業

2015年6月6日(土) 11:25 〜 12:25 ポスター会場 (展示ホール)

[P2-A-0462] On The Job Trainingによる教育の取り組み

関口貴博, 澤野靖之, 石垣直輝, 草木雄二 (船橋整形外科病院)

キーワード:OJT, 教育, 臨床

【目的】
今年度,当院の理学診療部職員は100名を超え,うち臨床経験5年未満の職員が6割を占めている。このような環境において,経験年数による格差の無い治療を患者に提供することを目的にこれまで様々な院内勉強会を企画し,教育活動に取り組んできた。しかし,勉強会による教育だけでは実際の治療現場において発生する様々な問題が減る事は無く,新たな教育方法が必要な状況となっている。そこで当院では今年度より指導者が臨床を通じ,勉強会では補うことができない具体的な技術指導を対象者に実施することを目的としたOn The Job Training(OJT)を通じての教育活動に取り組んだ。本報告の目的はOJTの活動内容と現状の課題を報告することである。
【方法】
指導者は教育管理者として任命された臨床経験13年目以上の当院理学療法士7名,対象者は教育管理者以外の理学療法士,作業療法士併せて110名である。OJTの日程は毎月末までに指導者が調整し,全対象者にメール配信する。OJTは各指導者が週1回または2回,各4時間,毎回対象者2名に対して実施する。教育内容は①予約管理や対応時間など円滑な仕事ができているか②機能的問題点の抽出,時期に応じた理学療法の選択ができているか③問題点に対するアプローチや運動処方ができているか④ROM-ex等,治療手技のアドバイスなどである。指導者は毎回対象者に対して実施した教育内容をWord文書として記録し,全対象者が閲覧可能となるように保存する。OJTの効果判定は年度初めと終わりに全対象者に対して実施するアンケート結果をもとに行なう。
【結果と考察】
OJTの現状の課題は指導者により指導内容に格差が生じていることであり,指導者間の教育方法の調整を定期的に実施することの必要性が分かってきた。またアンケート結果より経験年数別に指導すべき内容が異なることが分かり,指導者は経験年数の違いを考慮した指導を行うことも今後の課題の一つである。