[P2-B-0406] 大血管,呼吸器疾患を合併し
急性硬膜外血腫後不全麻痺を呈した理学療法の一考察
キーワード:リスク管理, 大動脈瘤, 慢性閉塞性肺疾患
【目的】近年高齢化に伴い様々な疾患を合併している症例が増加しており,個々の疾患に対しリスク管理を行いリハビリテーション(リハ)を進めていく必要がある。今回大血管,呼吸器疾患のリスク管理を行い急性硬膜外血腫後不全麻痺に対する理学療法を実施し良好な結果を得られたので報告する。
【症例提示】80代女性,診断名は急性脊髄硬膜外血腫。現病歴は慢性血栓閉塞型IIIb解離に下行胸部大動脈瘤(TAA)55mmの合併を認め,胸部ステントグラフト内挿術予定で当院入院。手術前日スパイナルドレナージ挿入部より急性脊髄硬膜外血腫発症し他院救急搬送。翌日血腫除去術,L1~L4椎弓切除術を施行,発症より30病日目に当院へリハ目的で再入院。既往歴は,慢性閉塞性肺疾患(COPD:GOLD分類III期),弓部大動脈人工血管全置換術後。
【経過と考察】初期評価は,収縮期血圧(SBP)120mmHg,経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)97%,徒手筋力検査右下肢2レベル,左下肢4レベル,右L4~S1領域周囲で感覚鈍麻。Barthel Index(BI)50点,歩行は四輪型歩行車使用し中等度介助レベル。TAAに対してSBP130mmHg以下,COPDに対してSpO2 90%以上で管理した。リハ内容はSBP上昇を考慮しバルサルバ効果の回避,呼吸指導,等尺性収縮を避けた筋力増強運動を実施した。また呼吸数の増加時に血圧上昇を伴うため呼吸数に留意することで,リハ中著明な血圧上昇なく経過した。65病日目ではBI 70点,歩行は四脚型歩行器使用し監視レベルへと改善した。
今回,運動療法を実施する際,TAAに対する血圧管理を特に注意した。その中でCOPD特有の運動耐容能の低下に伴うVital signsの変動に苦慮し,不全麻痺に対する運動負荷の調節に難渋した。しかし,呼吸数の増加を指標とし,プログラムを構成する事で血圧上昇を避け,重篤な合併症なくADL向上が得られた。大血管,呼吸器疾患を伴う症例では,各疾患の病態を把握した上でリスク管理を行う事で安全に運動療法が可能であった。
【症例提示】80代女性,診断名は急性脊髄硬膜外血腫。現病歴は慢性血栓閉塞型IIIb解離に下行胸部大動脈瘤(TAA)55mmの合併を認め,胸部ステントグラフト内挿術予定で当院入院。手術前日スパイナルドレナージ挿入部より急性脊髄硬膜外血腫発症し他院救急搬送。翌日血腫除去術,L1~L4椎弓切除術を施行,発症より30病日目に当院へリハ目的で再入院。既往歴は,慢性閉塞性肺疾患(COPD:GOLD分類III期),弓部大動脈人工血管全置換術後。
【経過と考察】初期評価は,収縮期血圧(SBP)120mmHg,経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)97%,徒手筋力検査右下肢2レベル,左下肢4レベル,右L4~S1領域周囲で感覚鈍麻。Barthel Index(BI)50点,歩行は四輪型歩行車使用し中等度介助レベル。TAAに対してSBP130mmHg以下,COPDに対してSpO2 90%以上で管理した。リハ内容はSBP上昇を考慮しバルサルバ効果の回避,呼吸指導,等尺性収縮を避けた筋力増強運動を実施した。また呼吸数の増加時に血圧上昇を伴うため呼吸数に留意することで,リハ中著明な血圧上昇なく経過した。65病日目ではBI 70点,歩行は四脚型歩行器使用し監視レベルへと改善した。
今回,運動療法を実施する際,TAAに対する血圧管理を特に注意した。その中でCOPD特有の運動耐容能の低下に伴うVital signsの変動に苦慮し,不全麻痺に対する運動負荷の調節に難渋した。しかし,呼吸数の増加を指標とし,プログラムを構成する事で血圧上昇を避け,重篤な合併症なくADL向上が得られた。大血管,呼吸器疾患を伴う症例では,各疾患の病態を把握した上でリスク管理を行う事で安全に運動療法が可能であった。