第50回日本理学療法学術大会

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ポスター

調査研究 ポスター6

教育/産業

2015年6月6日(土) 13:50 〜 14:50 ポスター会場 (展示ホール)

[P2-B-0466] 当院病棟看護師の腰痛とその要因調査

三木哲郎 (医療法人住友別子病院)

キーワード:腰痛, 実態調査, 姿勢

【目的】厚労省では『職場における腰痛予防対策指針』において,重量物を取り扱う事業所等の適用範囲を平成25年6月に福祉・医療分野における介護・看護作業全般に広げるなど,改訂をおこなった。当院においても昨年より,看護師に対して腰痛指導を行った。今回,ある病棟にターゲットを絞り,現在の病棟看護師の腰痛に対して調査を行い実態を把握する事を目的とした。
【方法】対象はアンケートに協力して頂いた当院泌尿器科病棟勤務の看護師22名(男性0名女性22名,平均年齢36.7±23.3歳)を対象とした。方法は自記式アンケートにて腰痛の有無(過去1ヶ月間・過去1年間),健康状態,仕事満足度,10分以上の身体活動(強い・中等度・歩く),歩行速度,仕事中の姿勢(体幹(直立・やや中腰姿勢・かなりの中腰姿勢・体のひねり・側屈)・腕(両腕が肩より下・片腕が肩より上・両腕が肩より上)・下半身(座位・立位・しゃがみ込み・膝立ち・歩行)),重量物の持ち上げ(背中を伸ばした状態(重量:軽い・普通・重い)中腰(軽い・普通・重い))など計32項目の設問に回答させた。回答はすべて2段階評価の選択形式とした。統計解析は過去1ヶ月間の腰痛,過去1年間の腰痛において各回答に相関分析(Pearsonの相関係数)を用い,統計学的有意差の判定は5%未満とした。
【結果と考察】アンケート回収率は81.5%(22名/27名)であった。過去1ヶ月間の腰痛の要因となる項目は過去1年間の腰痛(P<0.01)・仕事中の姿勢がやや中腰(P<0.05)・仕事中の姿勢がかなり中腰(P<0.05)・しゃがみ込み(P<0.05)であった。又,過去1年間の腰痛の要因となる項目は過去1ヶ月間の腰痛(P<0.01)・年齢(P<0.05)・体幹の側屈姿勢(P<0.01)・中腰での持ち上げ動作(軽い)(P<0.05)・中腰での持ち上げ動作(重い)であった。この結果より現在でも看護業務全般に腰痛発症姿勢である中腰での作業が多く,移乗動作の技術も未熟であることが示唆された。