[P2-C-0417] 訪問リハビリテーションの介入により閉じこもりを予防できたケース
キーワード:訪問リハビリテーション, 閉じこもり, 障害受容
【目的】
脳卒中発症後,自宅退院したケースの閉じこもりは二次障害に加え介護負担や経済的損失の面から予防することが重要である。今回,自宅退院後に閉じこもりが危惧された症例に対して,訪問リハビリテーション(以下訪問リハ)の関わりにより通所サービスへ繋がることができた例について報告し訪問リハの役割について検討する。
【症例提示】
A氏,70歳台後半,女性,疾患は心原性脳梗塞。右半身の中等度運動麻痺,失語が残存し発症6ヶ月後に自宅退院,訪問リハ開始となった。一戸建て(玄関前に階段)に夫と二人暮らし,病前は専業主婦で日本舞踊の講師を行っていた。回復期病院から入院中うつ状態であったと申し送りがあった。
【経過と考察】
開始時のADLは四点杖と短下肢装具を使用し屋内動作自立,階段昇降は軽介助を要した。障害受容の混乱期,うつ状態も重なり外出には消極的で自宅内役割もなく運動量低下に伴う廃用が危惧された。本人の希望は屋内動作の維持であり運動量確保は必須であると考え運動機会の定着を目標とした。介入として傾聴を心掛け,屋内でできる動作を反復し正のフィードバックを中心に関わったが,自身の中で病前と現状の身体活動を比較し,結果的にできない事に執着してしまい障害受容の混乱期を脱せない状況であった。そこで身体機能と運動量の関係をフィードバックし,敢えて問題点を顕在化させ本人に予後として身体機能低下が危惧されることを説明した。また訴えを話す場として言語療法を追加した。介入3ヶ月で身体機能の低下に対する解決行動として通所サービスへの意欲が向上した。介入方法を階段昇降等に変更しケアマネージャーを通して通所サービス見学への準備を進めた。介入7ヶ月でデイサービスが導入となり目標を家事動作獲得へと変更した。本症例を通して障害受容に至ってない自宅退院患者は長期的に関わることのできる訪問リハによって閉じこもりを予防できる可能性を感じた。
脳卒中発症後,自宅退院したケースの閉じこもりは二次障害に加え介護負担や経済的損失の面から予防することが重要である。今回,自宅退院後に閉じこもりが危惧された症例に対して,訪問リハビリテーション(以下訪問リハ)の関わりにより通所サービスへ繋がることができた例について報告し訪問リハの役割について検討する。
【症例提示】
A氏,70歳台後半,女性,疾患は心原性脳梗塞。右半身の中等度運動麻痺,失語が残存し発症6ヶ月後に自宅退院,訪問リハ開始となった。一戸建て(玄関前に階段)に夫と二人暮らし,病前は専業主婦で日本舞踊の講師を行っていた。回復期病院から入院中うつ状態であったと申し送りがあった。
【経過と考察】
開始時のADLは四点杖と短下肢装具を使用し屋内動作自立,階段昇降は軽介助を要した。障害受容の混乱期,うつ状態も重なり外出には消極的で自宅内役割もなく運動量低下に伴う廃用が危惧された。本人の希望は屋内動作の維持であり運動量確保は必須であると考え運動機会の定着を目標とした。介入として傾聴を心掛け,屋内でできる動作を反復し正のフィードバックを中心に関わったが,自身の中で病前と現状の身体活動を比較し,結果的にできない事に執着してしまい障害受容の混乱期を脱せない状況であった。そこで身体機能と運動量の関係をフィードバックし,敢えて問題点を顕在化させ本人に予後として身体機能低下が危惧されることを説明した。また訴えを話す場として言語療法を追加した。介入3ヶ月で身体機能の低下に対する解決行動として通所サービスへの意欲が向上した。介入方法を階段昇降等に変更しケアマネージャーを通して通所サービス見学への準備を進めた。介入7ヶ月でデイサービスが導入となり目標を家事動作獲得へと変更した。本症例を通して障害受容に至ってない自宅退院患者は長期的に関わることのできる訪問リハによって閉じこもりを予防できる可能性を感じた。