[P2-C-0644] 神奈川県内における特別支援学校に関わる連絡会について
キーワード:特別支援学校, 理学療法士, 教育
【はじめに,目的】
神奈川県内特別支援学校に関わる理学療法士(以下PTと略)は,県立は内部専門家として,市立では,PT免許を有しながら教員として特別支援学校に所属,ほか横浜市,川崎市,横須賀市教育委員会に所属し,市内特別支援学校に派遣されるPT等,実態は様々である。学習指導要領においても,専門的な知識や技能を有する教師間で協力した指導や外部の専門家を活用するなどして,学習効果を高めると示唆されているが,PTがどのように学校に関与しているか其々違うのが現実である。このような中で神奈川県内特別支援学校に関わるPTのネットワークづくりや教育現場で働くPT間の共通理解をすすめる等の目的で2013年9月神奈川県内特別支援学校に関わるPT連絡会を発足した。連絡会では,各々PTの雇用形態,立場,仕事内容等を共有し,単なる情報交換だけでなく毎回テーマを決めて,学校で参考になるような情報提供の場としても活用している。また症例検討など互いのスキルアップを目指し,将来的には,教育現場で使える評価用紙なども検討したいと考えている。
【方法】
隔月土曜の午後,定期的に開催し,構成員の13所属機関における現状を共有した。また関係機関,補装具,スクールバスにおけるカーシート取り付け状況,教員向けの研修会,相談業務における課題など情報交換し,協議検討を加えた。
【結果】
特別支援学校に自立活動教諭として,専任で所属しているPT,担任をもちながら自立活動担当教員という立場のPT,教育委員会に所属し,特別支援学校に所属しているPT,教育委員会に所属し,特別支援学校に派遣されるPTなど実態は多様であった。また児童・生徒に必要な学校用補装具に関しては,校内で作製できる特別支援学校や,外部の医療機関等で作製する特別支援学校など実態が分かれた。相談対象になる児童・生徒も校内のみの場合,校外も含め知的障害教育課程をもつ特別支援学校,盲学校などを対象とするなど,PTとして小児分野における様々な知識,経験が求められる現場も多くあった。PTが感じる課題としては,教員との関係性,児童・生徒の評価,個別教育計画への参画,教員が実施可能な評価項目,教員の専門性向上のための教育システムの連携,PT自身の専門性(知識,技術,思考方法)の維持向上などがあげられた。
【考察】
2009年特別支援学校の学習指導要領が改訂され,重複障害児の指導にあたっては,専門的な技能を有する教員間で協力する指導や外部の専門家を活用するよう明記され,全国の特別支援学校でPTが活用されている。2013年,神奈川県内特別支援学校に関わるPT連絡会を発足し,現在14名のPTが登録している。雇用形態や立場は,所属機関によって違いもあり,教育現場にどのように関わっていくか,それぞれが模索中である。特別支援学校の児童・生徒が重度・重複,多様化する中で,看護師やPT等の専門職導入など,神奈川県,横浜市,川崎市,横須賀市教育委員会では,全国においても,先駆的な事業を実施してきているが雇用形態が非常勤のPTも存在し,業務内容から考えると教育現場においては,教員と同様に正規職員としての採用が必須と感じる。また教育機関で働くPTは,各々の立場,学校によって求められるものも違い,戸惑うことも多い。医療,福祉と連携しながら,将来につながる支援を教員と共につくりあげるために,PTとしての知識,技術が求められるが相談するPTが身近にいないため孤立しがちである。医療現場から遠ざかり,PT同士の情報量が少ない中,互いのスキルアップや児童・生徒のより良い支援を同職種でディスカションできる場は貴重と考えている。地域,学校間格差がある中で,今後より効果的な学校支援のあり方等,全国レベルでの検討,協議の場も必要となってくるだろう。
【理学療法学研究としての意義】
2012年「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」が中央教育審議会で報告され,さらに外部専門家を含むPTの活用が期待されている。今後はさらにPTが活躍できる新たなフィールドとして特別支援教育の現場で,PTとしての知識,技術を児童生徒の教育支援に活かす時代となる事は確かであり,特別支援学校に関わるPTのネットワークの構築が必要である。
神奈川県内特別支援学校に関わる理学療法士(以下PTと略)は,県立は内部専門家として,市立では,PT免許を有しながら教員として特別支援学校に所属,ほか横浜市,川崎市,横須賀市教育委員会に所属し,市内特別支援学校に派遣されるPT等,実態は様々である。学習指導要領においても,専門的な知識や技能を有する教師間で協力した指導や外部の専門家を活用するなどして,学習効果を高めると示唆されているが,PTがどのように学校に関与しているか其々違うのが現実である。このような中で神奈川県内特別支援学校に関わるPTのネットワークづくりや教育現場で働くPT間の共通理解をすすめる等の目的で2013年9月神奈川県内特別支援学校に関わるPT連絡会を発足した。連絡会では,各々PTの雇用形態,立場,仕事内容等を共有し,単なる情報交換だけでなく毎回テーマを決めて,学校で参考になるような情報提供の場としても活用している。また症例検討など互いのスキルアップを目指し,将来的には,教育現場で使える評価用紙なども検討したいと考えている。
【方法】
隔月土曜の午後,定期的に開催し,構成員の13所属機関における現状を共有した。また関係機関,補装具,スクールバスにおけるカーシート取り付け状況,教員向けの研修会,相談業務における課題など情報交換し,協議検討を加えた。
【結果】
特別支援学校に自立活動教諭として,専任で所属しているPT,担任をもちながら自立活動担当教員という立場のPT,教育委員会に所属し,特別支援学校に所属しているPT,教育委員会に所属し,特別支援学校に派遣されるPTなど実態は多様であった。また児童・生徒に必要な学校用補装具に関しては,校内で作製できる特別支援学校や,外部の医療機関等で作製する特別支援学校など実態が分かれた。相談対象になる児童・生徒も校内のみの場合,校外も含め知的障害教育課程をもつ特別支援学校,盲学校などを対象とするなど,PTとして小児分野における様々な知識,経験が求められる現場も多くあった。PTが感じる課題としては,教員との関係性,児童・生徒の評価,個別教育計画への参画,教員が実施可能な評価項目,教員の専門性向上のための教育システムの連携,PT自身の専門性(知識,技術,思考方法)の維持向上などがあげられた。
【考察】
2009年特別支援学校の学習指導要領が改訂され,重複障害児の指導にあたっては,専門的な技能を有する教員間で協力する指導や外部の専門家を活用するよう明記され,全国の特別支援学校でPTが活用されている。2013年,神奈川県内特別支援学校に関わるPT連絡会を発足し,現在14名のPTが登録している。雇用形態や立場は,所属機関によって違いもあり,教育現場にどのように関わっていくか,それぞれが模索中である。特別支援学校の児童・生徒が重度・重複,多様化する中で,看護師やPT等の専門職導入など,神奈川県,横浜市,川崎市,横須賀市教育委員会では,全国においても,先駆的な事業を実施してきているが雇用形態が非常勤のPTも存在し,業務内容から考えると教育現場においては,教員と同様に正規職員としての採用が必須と感じる。また教育機関で働くPTは,各々の立場,学校によって求められるものも違い,戸惑うことも多い。医療,福祉と連携しながら,将来につながる支援を教員と共につくりあげるために,PTとしての知識,技術が求められるが相談するPTが身近にいないため孤立しがちである。医療現場から遠ざかり,PT同士の情報量が少ない中,互いのスキルアップや児童・生徒のより良い支援を同職種でディスカションできる場は貴重と考えている。地域,学校間格差がある中で,今後より効果的な学校支援のあり方等,全国レベルでの検討,協議の場も必要となってくるだろう。
【理学療法学研究としての意義】
2012年「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」が中央教育審議会で報告され,さらに外部専門家を含むPTの活用が期待されている。今後はさらにPTが活躍できる新たなフィールドとして特別支援教育の現場で,PTとしての知識,技術を児童生徒の教育支援に活かす時代となる事は確かであり,特別支援学校に関わるPTのネットワークの構築が必要である。