[P3-0882] 「病期・職種を問わず使用できるリハビリテーション評価指標」の検者間信頼性と内容妥当性の調査報告
Keywords:尺度開発, 多職種連携, 信頼性
【目的】近年,チーム医療,地域連携への期待は高まり,地域包括ケアに向けて継ぎ目のないリハビリテーション支援が一層必要となるが,医療や介護,各職種での評価指標は多様であり,領域間や多職種間での情報共有は難しい。日本理学療法士協会は,平成24年度厚生労働省老人保健健康増進等国庫補助金事業で,「病期・職種を問わず使用できるリハビリテーション評価指標」の作成を行った。本演題では,評価指標の信頼性と多職種を対象とした妥当性を報告する。
【活動報告】本事業は,デルファイ法を用いて,活動・参加に対応する8項目と心身機能に対応する7項目の計15項目からなる評価指標を作成した。検者間信頼性は,PT,OT,STの計35名(平均経験年数9.5,SD=7.3)で検証した。同一患者・利用者1名に対し2名の検者で,出来る限り異職種間の評価とした。被験者は21名で,基本属性は年齢,病期間でほどんど偏りがなかった。級内相関係数(2,1)とweighted κ係数は,カテゴリーに関わらずそれぞれ0.9(p<0.01)以上,0.6(p<0.01)以上で検者間信頼性が高かった。妥当性の検証は,全国のPT,OT,ST,医師,看護師,医療ソーシャルワーカー,介護福祉士,介護支援専門員の計10,000名にアンケート調査した。有効回答数は3,262名(有効回答率32.0%)で,勤務地域の偏りはなかった。実行可能性は評価時間で検証し,平均9.2分(SD=7.4)であった。内容妥当性は評価指標の印象で,「簡便性」,「病期を問わない評価」,「疾患を問わない評価」,「多職種共有の可能性」での肯定的回答は70%程度であった。
【考察】作成した評価指標は簡便に患者・利用者の状態像を把握でき,病期や疾患を問わず多職種間で共有しやすいと考えられた。今後は,病期別や疾患別からの検証と,縦断的検証が必要である。
【結論】各病期を通じて状態変化を捉え,医療機関や地域でのリハビリテーション必要度を共有する評価指標につながると考える。
【活動報告】本事業は,デルファイ法を用いて,活動・参加に対応する8項目と心身機能に対応する7項目の計15項目からなる評価指標を作成した。検者間信頼性は,PT,OT,STの計35名(平均経験年数9.5,SD=7.3)で検証した。同一患者・利用者1名に対し2名の検者で,出来る限り異職種間の評価とした。被験者は21名で,基本属性は年齢,病期間でほどんど偏りがなかった。級内相関係数(2,1)とweighted κ係数は,カテゴリーに関わらずそれぞれ0.9(p<0.01)以上,0.6(p<0.01)以上で検者間信頼性が高かった。妥当性の検証は,全国のPT,OT,ST,医師,看護師,医療ソーシャルワーカー,介護福祉士,介護支援専門員の計10,000名にアンケート調査した。有効回答数は3,262名(有効回答率32.0%)で,勤務地域の偏りはなかった。実行可能性は評価時間で検証し,平均9.2分(SD=7.4)であった。内容妥当性は評価指標の印象で,「簡便性」,「病期を問わない評価」,「疾患を問わない評価」,「多職種共有の可能性」での肯定的回答は70%程度であった。
【考察】作成した評価指標は簡便に患者・利用者の状態像を把握でき,病期や疾患を問わず多職種間で共有しやすいと考えられた。今後は,病期別や疾患別からの検証と,縦断的検証が必要である。
【結論】各病期を通じて状態変化を捉え,医療機関や地域でのリハビリテーション必要度を共有する評価指標につながると考える。