第50回日本理学療法学術大会

講演情報

ポスター

調査研究 ポスター8

地域住民への取り組み

2015年6月7日(日) 13:10 〜 14:10 ポスター会場 (展示ホール)

[P3-C-0820] 幼児の足趾握力の変化および体力との関係

瓜谷大輔, 福本貴彦, 松本大輔 (畿央大学健康科学部理学療法学科)

キーワード:足趾握力, 幼児, 体力

【目的】近年,小中学生の体力低下が問題となっているが,それは幼児の頃の運動習慣や体力に影響されるとの報告も散見される。この問題への対策の一つとして足や足趾に対するアプローチがしばしば報告されている。そこで本研究では幼児の足趾握力の変化および体力との関係を明らかにすることを目的とした。

【方法】対象は幼稚園および保育園児338名(男児178名,女児160名,平均年齢4.7±0.6歳)であった。各園の指導者からの報告から心身の発達が遅延していると思われる園児は解析対象から除外した。評価項目は身長,体重,足趾握力,手指握力,25m走,5mシャトルラン,立ち幅跳び,テニスボール投げとした。また年齢を(測定年月日-生年月日)/365で小数第2位まで算出した(以下,実年齢)。対象を実年齢をもとに4歳以上4歳半未満,4歳半以上5歳未満,5歳以上5歳半未満,5歳半以上6歳未満,6歳以上6歳半未満の5群(以下,年齢群)に分け,足趾握力の平均値を性別と年齢群の2要因での2元配置分散分析と多重比較検定で比較した。また重回帰分析を用いて足趾握力と25m走,5mシャトルラン,立ち幅跳び,テニスボール投げとの関係を実年齢,身長,体重,手指握力で調整したうえで検討した。有意水準は5%とした。

【結果と考察】二元配置分散分析では交互作用は認められず,年齢群にのみ主効果を認めた。4歳以上4歳半未満と5歳以上5歳半未満,5歳半以上6歳未満,6歳以上6歳半未満,4歳半以上と5歳半以上6歳未満,6歳以上6歳半未満,5歳以上5歳半未満と6歳以上6歳半未満との間に有意差を認め,年齢と共に高値を示した。重回帰分析の結果,足趾と25m走,5mシャトルラン,立ち幅跳びとの間に有意な関係を認めた。本研究で得られた足趾握力の結果は今後の研究の基礎データとなりえるものである。また,足趾握力の改善が幼児の体力を高める一助となる可能性が示唆された。