第50回日本理学療法学術大会

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ポスター

調査研究 ポスター8

地域住民への取り組み

2015年6月7日(日) 13:10 〜 14:10 ポスター会場 (展示ホール)

[P3-C-0826] 当院での近隣住民に対する歩行年齢測定会実施報告

転倒歴の有無に着目して

三上紘史1, 宮内秀徳2, 仲島佑紀1 (1.医療法人社団紺整会船橋整形外科市川リハビリクリニック, 2.医療法人社団紺整会船橋整形外科病院)

キーワード:歩行年齢測定会, てんとう虫テスト, 転倒歴

【目的】
近年,日本の急速な高齢化に伴い健康寿命を延ばすことの重要性が唱えられている。今回我々は近隣住民に対して歩行年齢測定会を実施したので報告する。また転倒歴と測定項目との関連性を検討したので報告する。

【方法】
歩行年齢測定会には122名の近隣住民が参加した。測定項目はてんとう虫テストに準じて2Step test,Timed Up&Go test,Functional Reach test,立ち上がりテスト,体脂肪測定とした。2Step testは測定値を身長で除し,2Step値を算出した。2Step値から推定歩行年齢を,その他の4項目は基準を満たした項目の数をてんとう虫テストの得点とし,この得点が低いと転倒リスクが高いことを表す。結果説明は理学療法士が書面にて行い,測定結果をもとに個々に推奨するエクササイズを提案した。
統計的解析は転倒歴の有無と2Step値との関係性には対応のないt検定を用い,転倒歴の有無とてんとう虫の得点の関連性にはχ2検定を用いて検討を行った。有意水準は5%とした。

【結果と考察】
すべての測定項目を行えた96名のうち,転倒歴のない者は67名(男性10名,女性57名,年齢74.3±8.8歳)で転倒歴のある者は29名(男性2名,女性27名,年齢78.7±7.6歳)であった。
歩行年齢は転倒歴なし群が70歳代(2Step値1.17±0.2),転倒歴あり群が80歳代(2Step値1.06±0.2)であり,有意差がみられた(p=0.02)。
また転倒歴なし群においてテストの得点が3~4点の者は59.7%(40名),2点が25.4%(17名),0~1点が14.9%(10名)であった。転倒歴あり群では3~4点が17.2%(5名),2点が51.7%(15名),0~1点が31.0%(9名)であった。今回の結果より転倒歴とてんとう虫テストの得点には関連があり(p<0.01),転倒歴のない者は3~4点に分布していることが多く,転倒歴のある者は2点に分布していることが多いことが示唆された。
歩行年齢測定会は理学療法士が地域社会に貢献する取り組みとして重要であると考える。