第50回日本理学療法学術大会

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大会シンポジウム

大会シンポジウム7

パラリンピックへの期待と理学療法士の役割

2015年6月7日(日) 09:40 〜 11:00 第2会場 (ホールC)

座長:秋田裕(神奈川県理学療法士会), 石塚和重(筑波技術大学 保健科学部保健学科)

[TS-13-3] パラリンピックへの期待と理学療法士の役割

奥田邦晴

理学療法士とは,「ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して,自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。(協会ホームページから引用)」とある。
一般的に,理学療法や理学療法士を説明する際には,この文にもあるように障害という語や障害のある人,つまり障がい者という語が数多く用いられる。一方,国連・障がい者に関する世界行動計画(1982)において,リハビリテーションとは,「身体的,精神的,社会的に最も適した生活水準の達成を可能とすることによって,各人が自らの人生を変革していくことを目指し,且つ時間を限定した過程である」と報告されており,障がい者のリハビリテーションを「自らの人生を変革していくための手段である」と定義づけることができる。
このように,理学療法士はその大きな対象が障がい者にあること,そして,障がい者の人生を変革していくための手段を提供しようとするものであり,どれだけ豊かな人生を送ってもらえるようになるかが大きな目標になる。
その手段の一つにスポーツがある。2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定した今,理学療法士にとってこのチャンスを逃す手はない。東京パラリンピックにいかに貢献するか,何ができるかが重要課題となる。そして未来への理学療法の展望として,障がい者支援について再考,熟考を重ね,具体的に行動していくことが大切となる。
トレーナーはもちろんのこと,若手選手の発掘や育成に対する情報提供者としての理学療法士への期待は大きい。また,指導者,大会運営者そして競技力向上のための科学的支援・研究ができる点も,理学療法士の大きな武器となる。東京パラリンピックを契機とし,様々な角度から積極的かつ緻密な障がい者の理学療法ムーブメントを一歩一歩展開していきましょう。