日本分析化学会第71年会

産官学交流カフェ

趣旨

日本分析化学会では,分析化学の多様性を活かし,産のニーズと官・学のシーズをマッチングする場を提供し,連携を加速させ,科学・技術における分析化学の重要性や魅力を発信する役割をめざしています。そのために,産業界の研究者・技術者と交流を進めるきっかけとなる産官学交流カフェを,2019年の千葉年会(第68年会)に引き続き第71年会においても実施します。今回は内閣府地方大学・地域産業創生交付金事業や文科省コアファシリティ事業などにも着目し、大型の分析機器を大学間や地域で共有する様々な可能性を探っていきたいと考えています。また、年会のプログラムとは別に本カフェの最後に文科省・学術政策局の方に「研究設備・機器の共用推進に向けたガイドラインについて」特別にお話をいただく予定です。

主催

日本分析化学会

後援

文部科学省・先端研究基盤共用促進事業(コアファシリティ構築支援プログラム)「コアファシリティの構築(広島大学)」(令和3年度採択)

日時

2022年9月14日(水)9時30分から11時頃

会場

岡山大学 津島キャンパス:第71年会のF会場(一般教育棟B33)

プログラム
1)山口 信雄(広島大学自然科学研究支援開発センター):9:30-9:45
  講演題目:試料調製サービスの開発による受託解析の拡充と確実化
   受託分析における試料調製を含む様々なメニューの開発事例を紹介
  し、依頼分析をもちいて良いデータを得るためのノウハウについて紹
  介する。
2)田辺栄司(広島県西部工業技術センター):9:45-10:00
  講演題目:産業支援のための広島県の電子顕微鏡(TEM・FIB),
       24年間の運用と観察事例紹介
   300kV FE-TEM(1998年導入),試料作製用FIB(1996年導入・
  1998年移管・2020年廃棄),PFIB-SEM(2020年導入)の運用と観
  察事例の紹介。水素吸蔵合金の断面観察,Liイオン電池負極のSTEM-
  EELS・正極のFIB-TOF-SIMS Liマップ,触媒担持金属のTEM
  Tomography・触媒担体のAuto Slice & View 3Dイメージングといった
  トレンドを追いかけた装置改造・導入史について紹介する。
3)薮谷智規(愛媛大学・紙産業イノベーションセンター):
  10:00-10:15
  講演題目:日本一の「紙のまち」での産官学連携 ー紙関連製品開発
       と分析化学の関わりー
   紙産業の集積地にある大学の研究センターの産官学連携活動につい
  て紹介する。また、紙製品開発への分析化学の活用例について解説す
  る。
4)長谷川 浩(金沢大学、理工研究域):10:15-10:30
  講演題目:金沢大学におけるコアファシリティ事業とイノベーション
       創出への展開
   金沢大学では、分析機器を中心とした設備共同利用を推進する研究
  基盤整備や、技術職員等の研究支援人材の組織化を進め、研究基盤の
  戦略的・効率的運用を実現する取り組みを進めている。本講演では、
  イノベーション創出や産官学連携強化に向けた活用事例として、新産
  学連携研究拠点(バイオマス・グリーンイノベーションセンター)設
  立や若手研究者・起業支援等への貢献について紹介する。
5)沖 充浩(株式会社 東芝 研究開発センター):10:30-10:45
  講演題目:製品含有化学物質管理のための分析技術開発
   欧州RoHS指令に代表される製品含有化学物質の規制に対応するた
  めの分析技術開発の事例や、それらの手法のIEC標準化に向けた取り
  組み、官学へ期待するニーズについて紹介する。

6)渡辺 隆之(文部科学省科学技術・学術政策局):10:45-11:00
  講演題目:研究設備・機器の共用推進に向けたガイドラインについて


問い合わせ先
広島大学大学院先進理工系科学研究科・早川 慎二郎
hayakawa@hiroshima-u.ac.jp