2018年度人工知能学会全国大会(第32回)

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オーガナイズドセッション » [オーガナイズドセッション] OS-28 複雑化社会における意思決定・合意形成のためのAI技術

[1D3-OS-28b] 複雑化社会における意思決定・合意形成のためのAI技術(2)

2018年6月5日(火) 17:20 〜 19:00 D会場 (4F カトレア)

18:00 〜 18:20

[1D3-OS-28b-03] 2 人非対称情報オールペイオークションにおける均衡と逆転現象の解析

赤木 亨1、〇東藤 大樹1、横尾 真1 (1. 九州大学)

キーワード:オークション、非対称情報、逆転現象

オールペイオークションはオークションの方式の1つであり,最も高い入札を行った入札者が商品を獲得するが,全ての入札者は商品を落札したか否かに関わらず,常に自分の入札額を支払う.オールペイオークションは特許の取得競争やロビー活動のような,入札者が回収できないコストを支払う状況をモデル化可能である.
このオークションにおいて,商品の価値はすべての入札者で共通であり,各入札者は商品の正確な評価値が分かっていないと考える.売り手は,情報区画と呼ばれる商品の価値に関する情報を制御し,入札者に与えることが可能とする.ある入札者が他の入札者と比較し,常により正確な情報を得るように情報区画を決定することも可能である.
通常,より正確な情報を得る入札者の方がより高い利得を得る.しかしながら,入札上限が存在する場合,より正確な情報を得る入札者の利得が,他方の入札者の利得と比較して低くなる現象が生じる可能性が存在する.この現象を逆転現象と呼ぶ.本論文では,入札者が2人の場合において, (1) 逆転現象が発生する条件,及び (2) 入札上限によって,売り手の期待利得が変化しないための条件の二点に関して解析を行う.