2018年度人工知能学会全国大会(第32回)

講演情報

口頭発表

一般セッション » [一般セッション] 12.ヒューマンインタフェース・教育支援

[1L2] ヒューマンインタフェース・教育支援-教育・学習支援(2)

2018年6月5日(火) 15:20 〜 17:00 L会場 (3F サファイアホール飛鳥)

座長:野口 孝文(釧路高専)

15:40 〜 16:00

[1L2-02] ダイナミックアセスメントのための隠れマルコフIRTモデル

〇堤 瑛美子1、宇都 雅輝2、植野 真臣2 (1. 電気通信大学情報理工学部、2. 電気通信大学大学院情報理工学研究科)

キーワード:ダイナミックアセスメント、項目反応理論、隠れマルコフモデル

教育の最も難しい問題は,教師は学習者に教えすぎても,教えなさすぎても学習者の十分な発達は望めないということである.そのために,教師は個々の学習者の理解度や最適な支援の度合いを予測することが重要な課題となっている.
足場がけによる学習者のパフォーマンスを予測するために,項目反応理論を用いて最適な予測正答確率になるようにヒントを提示する足場がけシステムが開発されている.しかし,従来の項目反応理論では,学習者の能力変化がモデルに考慮されておらず、正確な正答確率を予測できず、最適なヒント数を予測できていない可能性がある.本研究では,学習者の能力が時間変化していくプロセスを項目反応理論に組み込み,能力が隠れマルコフ過程に従って変化すると仮定した新しい項目反応モデルを提案する.提案モデルでは,能力値が継続する課題数を表すウィンドウサイズと能力の変動の程度を反映する変動パラメータを持ち,これらの最適値がデータから推定されるために,学習者の真の能力変化を反映でき,予測精度を向上させることが期待される.実データを用いて本提案の有効性を示す.