2018年度人工知能学会全国大会(第32回)

講演情報

口頭発表

オーガナイズドセッション » [オーガナイズドセッション] OS-4 Well-being Computing

[2F2-OS-4a] Well-being Computing(1)

2018年6月6日(水) 13:20 〜 15:00 F会場 (4F ガレリア)

13:40 〜 14:00

[2F2-OS-4a-02] 相互作用による双方向的な情動反応の変化

〇村田 藍子1 (1. 早稲田大学)

キーワード:情動伝染、相互作用、生理指標

喜びや悲しみといった個人の心的状態は様々な形で周囲の他者から影響を受ける.こうしたプロセスは情動伝染と呼ばれる.従来の情動伝染の研究の多くは, 他者の情動反応を刺激とした際にそれに対する観察者の情動反応を計測するというプローチによって, 情動伝染の受け手の側のプロセスについて注目してきた. しかし, 現実のコミュニケーション場面では, 人々は他者の情動反応から影響を受ける「受け手」となると同時に他者の情動反応に影響を及ぼす「送り手」ともなるため, 双方向的に影響を与え合う可能性が想定される. そこで本研究では二人の人が相互に反応を参照することができる対面状況における双方向的な情動伝染について検討した. 具体的には, 二者に同時に軽度の痛みを誘発する刺激を提示し, その際の自律神経系の生理反応を計測した. その結果, 他者との相互作用が刺激に対する情動反応を増幅させること(情動反応の増幅),相互作用を繰り返すことで次第に二者の情動反応が似通ってくること(情動反応の収束)が確認された.