13:40 〜 14:00
[2O2-OS-24a-02] 食の描写表現の相違を用いた言語圏ごとの料理の感じ方の比較手法
キーワード:データマイニング
グローバル化に伴い食産業でも海外進出が増加し, 地域ごとの文化的差異を理解する重要性が高まっている. これまで文化の研究はアンケート調査を用いたものが多く, 大規模な調査を行う事は難しかった. 本研究では, ソーシャルメディアを用いて異なる言語圏における文化的差異を自動的に検出することを課題とし, テキストデータにおける描写表現の分布の違いを用いた手法を提案した. 実験では, 描写表現として形容詞を用い, 英語圏と日本語圏の食に関するTwitterデータを対象とした分析を行った. 食に関するソーシャルメディアの用法の差や, アメリカでカラフルな料理がより好まれる傾向など, 食全体に対する考え方の差異を取得できることを示した. また, 特定の飲料を対象とした議論を行い, 例えば日本ではコーヒーが「苦い, 酸っぱい」との一般認識がある一方で, アメリカでは「boring」な文脈に多く存在するといった感じ方の違いを検出した. ここから, 提案手法が具体的な個別の対象に関して, 言語圏ごとの感じ方の文化比較を可能とすることを示した.