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[3C1-OS-14a-02] 臨床心理面接における傾聴度変化の評価
臨床心理士と初学者の比較
キーワード:感情評価値入力手法、傾聴評価、多重解像度分析、臨床心理面接、社会的信号
臨床心理面接という対話の評価において,傾聴は欠くことのできない重要な軸の一つである.これまで傾聴を構成する要素に関する知見はあるが[アイビイ1985],面接全体として傾聴が真に成立したかどうかについて評価測定するための手法は,まだ十分確立していない.特に傾聴に際してそうしているつもりでも相手はそう感じていないといったすれ違いがつきまとうことはこの課題をいっそう困難にしている.しかし面接の質の把握や向上のためには,傾聴の評価測定をすすめていく必要がある.本研究ではそのためのひとつのアプローチとして次の手順で実験を実施し,評価の実際と課題について明らかにする.(1)第三者の臨床心理士が面接ビデオを視聴し,感情評価値入力手法により傾聴度を時系列入力,(2)傾聴度時系列データの変化点(上昇/下降)を多重解像度分析によって自動検出, (3)同じ臨床心理士によって,なぜ変化点をそのように評価したのかの記述, (4)その変化点が上昇か下降かの判断を初学者の集団で実験, (5)両者の評価の比較と統計的分析.