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[1F4-OS-17b-04] 鳴き声の線形予測残差を用いた牛の個体識別
キーワード:個体識別、家畜、線形予測残差
近年,牛などの家畜を飼養している畜産農家は,高齢化や若者の就業数の減少などの理由により年々減少する傾向にある.しかし,飼養される家畜の数は一定であるため,農家一戸当たりの家畜の数は年々増加する傾向にある.また,家畜の個体識別や状態把握を行う際,飼養者は家畜を捕獲して識別や計測を行うための機器を取り付ける必要があるため,飼養者と家畜の両者に負担がかかる.このことから畜産農業の分野においてもICTによる支援が重要と考えられる.特に個体識別は,家畜個々の健康状態や発情時期を把握するために必要となるため,本研究ではICTを用いて個体識別を簡便かつ正確に行うための手法を提案する.特に本研究では牛が自然に発する情報の一つである鳴き声を用いた個体識別法を提案する.牛の鳴き声は人間と同様に発声方法や声質に違いがある可能性が高いため,個体識別の判定材料として有用であると考えられる.本研究での分析結果より個体識別に有用な音響的特徴が明らかとなり,それらの特徴量を用いた個体識別では96.8%という高い識別率を得ることができた.また,提案の識別手法の方が先行研究の識別率よりも約30%高いことを確認した.