2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[2D1-J-11] ロボットと実世界: 人・ロボット・環境の相互作用

2019年6月5日(水) 09:00 〜 10:40 D会場 (301B 中会議室)

座長:田和辻 可昌(早稲田大学) 評者:廣川 暢一(筑波大学)

10:20 〜 10:40

[2D1-J-11-05] 感情と記号創発ロボティクス

〇長井 隆行1 (1. 大阪大学)

キーワード:感情、記号創発ロボティクス

感情とは何か?この問いは,古くから我々人間を悩ませ続けてきた.古くは哲学から,近年では心理学や神経科学をはじめロボティクスなど様々な領域で,この問いに対する答えの探求が続けられてきた.その探求は形を変えながら続けられているが,いまだにこの問いに対する明確な答えは存在しない.そうした中で近年の感情研究における一つの重要な示唆は,内受容感覚と情動の関係である.内受容感覚とは,内臓など身体内部の信号の処理の結果生じる知覚であるとされる.特に,内受容感覚の予測符号化は,予測に基づく脳の基本的な動作原理によって情動や感情を説明できる可能性を秘めている.ここで重要なのは身体であり,身体からの信号を自己組織化し自身の身体に関する予測性を高めることがポイントである.そうした情報の構造化やその構造に基づく意思決定・行動といった一連の人と環境の相互作用プロセスの中で感情が創発するものと考えられる.本稿では,記号創発ロボティクスの視点で情動/感情がどのようにモデル化され得るかについて議論する.