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[2M5-J-10-03] 動作と文脈の双方向な認識手法における身体動作認識性能評価
キーワード:身体動作認識
異なる種類の動作であるが動作パターンが互いに似ている身体動作を認識し判別することは一般的に困難である.従来までに筆者は,動作の文脈に着目し,文脈情報を用いた動作認識と動作認識結果に基づく文脈の再推定の,二つの処理を交互に行う手法を提案してきた.しかしこれまでの我々の研究では,この2つの認識処理を繰り返し行う最適な回数など詳細なアルゴリズムの性能評価について議論がされていなかった.また,文脈に基づいて行われるであろう動作を予測する動作出現確率として非現実的な理想的分布のみを用いており,ノイズを含む確率分布における有用性についても議論されていなかった.そこで本稿では,これらの点を調査し,性能向上のための条件を明らかにすることを目的とする.実験を通じて,繰り返し処理の回数が5回ないし10回の時に高い動作認識率を得た.また,ノイズの多い動作出現確率を用いた場合でも,高い動作認識率を維持することを確認した.これらの結果から,提案手法は理想的な条件ではない,実践的な動作パターンを対象とした場合でも,有用性が確保されるという結論を得た.