2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[2Q4-J-2] 機械学習: ベイジアンネットワーク

2019年6月5日(水) 15:20 〜 16:20 Q会場 (万代島ビル6F会議室)

座長:松井 藤五郎(中部大学) 評者:廣川 暢一(筑波大学)

15:20 〜 15:40

[2Q4-J-2-01] 推移性を利用したRAIアルゴリズムによる大規模ベイジアンネットワーク構造学習

本田 和雅1、名取 和樹1、〇菅原 聖太1、磯崎 隆司1、植野 真臣1 (1. 電気通信大学)

キーワード:確率的グラフィカルモデル、ベイジアンネットワーク構造学習、制約ベースアプローチ

近年,ビッグデータ解析が注目される中,高精度な確率推論を可能とするベイジアンネットワークの重要性が高まっている.しかし,ベイジアンネットワーク構造学習は膨大な計算時間を要するため,大規模変数に対して構造学習は難しい.近年の研究で,制約ベース手法であるRAIアルゴリズムの条件付き独立性検定(CI テスト)にBayes factorを用いることで漸近一致性を有しつつ1000変数程度の構造学習が可能になった.制約ベース手法は学習のできる限り早期にエッジを削除することで学習に要するCI テスト数を削減できる.そこで,本論文はベイジアンネットワークのある二変数の条件付き独立性からその各変数と他変数との条件付き独立性の少なくとも一つを保証できる推移性が成り立つことを明らかにする.さらにRAIアルゴリズムにおいて推移性により少なくとも一つの条件付き独立が保証される二組のエッジのCI テストを優先して行い,CI テスト数を大幅に削減できる手法を提案する.シミュレーション実験により,提案手法がこれまで実現できなかった大規模なベイジアンネットワークを学習できることを示した.