2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[3Q3-J-13] AI応用: 人工物の物理挙動分析

2019年6月6日(木) 13:50 〜 15:10 Q会場 (万代島ビル6F会議室)

座長:平岡 拓也(NEC) 評者:佐々木 耀一(日本電気株式会社)

14:30 〜 14:50

[3Q3-J-13-03] 深層強化学習を用いた翼形状の最適化と手法の比較

〇服部 均1、米倉 一男1 (1. 株式会社IHI)

キーワード:深層強化学習、最適化、設計

航空エンジンや車両用過給機をはじめとする機械製品を設計する場合に,CAE(Computer Aided Engineering)は欠くことのできない技術である.設計者はCAEを用いて,例えば翼の周りの流体の流れを数値的に解析し,その物理現象を理解して実際に製品を作成した時の性能等を予測する.所望の制約条件を満たしたうえで最も性能が良い形状を作成するため,これまでは応答曲面法などを用いた最適化が行われてきた.これらの手法は複数の流れの条件に対して良い性能を持つ形状を探す際には,流れの条件を変えるごとに数値解析を繰り返す必要があり,設計時間の長大化を招いていた.本稿では,この設計時間を短縮するために,深層強化学習を用いた形状最適化を行なう.深層強化学習をNACA翼の揚抗比最大化に適用し,目的に応じてエージェントが適切に迎角を変更できることを確認した.また手法ごとに学習に必要なCAEの回数を比較し,本課題ではDQNが最も適していた.本比較により選択する手法次第で必要なCAEの回数に大きな差があることがわかり,今後強化学習を用いて最適化設計を行う上で,選択するべき手法の指針が示された.