2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

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[4K3-J-13] AI応用: 海と河川

2019年6月7日(金) 14:00 〜 15:40 K会場 (201A 中会議室)

座長:坂地 泰紀(東京大学) 評者:米納 弘渡(名古屋大学)

14:20 〜 14:40

[4K3-J-13-02] 敵対的生成ネットワークによる洪水氾濫浸水域の推定

〇一言 正之1、荒木 光一2、古木 宏和1 (1. 日本工営株式会社、2. 五大開発株式会社)

キーワード:pix2pix、防災、敵対的生成ネットワーク

ードマップが整備されおり、事前検討に基づいた浸水想定範囲が公開されている。しかしながら、災害発生時にリアルタイムに浸水範囲を把握する技術は確立していない。本研究は、浸水の観測情報(点情報)から浸水範囲(面情報)を瞬時に推定することを目的として、敵対的生成ネットワークを利用した浸水域推定モデルの構築・精度検証を行った。モデル構築の具体的な手順は次の1,2,3の通りである。

1:様々な浸水シナリオ(堤防決壊箇所や浸水規模)に応じた物理型の氾濫シミュレーションを実施。

2:氾濫シミュレーションの計算メッシュごとの浸水深をランダムに抽出することで、浸水の擬似観測データを作成。

3:C-GANの一種であるpix2pixを用いて、画像化した浸水観測情報から、浸水深分布を推定する予測器を構築。

荒川下流域のデルタ地帯(およそ南北10km、東西5km)を対象に検討を行い、構築したモデルにより氾濫シミュレーション結果の再現性を検証した。数10から100程度の浸水観測情報から、浸水範囲を妥当に推定可能であった。