[4N2-OS-26a] 人工知能と倫理 (1)

[4N2-OS-26a-04] どのようにして倫理は創造活動を支援するか

〇関口 海良¹、堀 浩一^1,2 (1. 東京大学大学院工学系研究科、2. 理化学研究所革新知能統合研究センター)

キーワード：設計学、倫理、創造活動支援

人工物の設計に倫理的視点を導入すると設計活動はより創造的になる．本研究ではこの効果を三種類のユーザスタディにより確認した．本論文では初めに倫理的設計理論を導入し倫理がどのように創造活動を支援するかの仮説を整理する．具体的には，設計に倫理的視点を導入することで設計の目的を最も高いレベルの視点から見直す効果が期待でき，更にそれがより広い解空間への気づきに繋がると期待できる．ユーザスタディにおける実験装置としては筆者らが提供している有機的で動的な倫理的設計支援ツール（Dfrome）を用いる．ユーザスタディの結果，期待した効果を観測することで仮説をサポートすることができた．一方，現状の倫理的設計理論では説明が困難な結果も得られており，これを考慮することで倫理的設計理論を改善することもできた．最後に，本研究に関する専門家との議論の結果等を受けて設定した今後の展望についても記述する．