2020年度 人工知能学会全国大会(第34回)

講演情報

インタラクティブセッション

[4Rin1] インタラクティブ2

2020年6月12日(金) 09:00 〜 10:40 R01会場 (jsai2020online-2-33)

[4Rin1-58] BExSAMに基づく健診データからの非アルコール性脂肪性肝疾患の発症要因解明

〇大内 康平1、藤原 幸一2、西大路 賢一3、加納 学1 (1.京都大学、2.名古屋大学、3.京都第二赤十字病院)

キーワード:非アルコール性脂肪性肝疾患、健診データ、因果推論、BExSAM

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は,明らかな飲酒歴が無いにも関わらずアルコール性肝障害に類似した脂肪性肝障害があらわれる疾患である.NAFLD発症要因の特定について多くの研究が行われているが,健診データの検査項目間の因果関係に着目した研究は多くない.NAFLD発症について健診データ用いた因果推論を行った研究があるが,解析対象とする要因は連続変数のみに限定されていた.NAFLDの正確な発症要因の解明には,たとえば飲酒や喫煙の有無など離散尺度で表される要因についても解析が必要である.本研究では,先行研究では扱われなかった離散尺度である要因を対象とする.対象の健診データでは,離散尺度である検査項目の大半が二値であるため,本研究では少数の二値変数間の因果関係の推定を行うBExSAMを拡張し,多数の二値変数間の因果関係を推定できる手法を提案する.人工データを用いた検証では,変数の数が多くなった場合でも既存手法と同等の推定精度であることを示した.さらに,提案手法を健診データに適用した結果,男女ともにいびきの有無や降圧薬,血糖降下剤の服用がNAFLDの発症に影響することが示唆された.

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