2021年度 人工知能学会全国大会(第35回)

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[1H2-GS-1a] 基礎・理論:人の認知・知覚

2021年6月8日(火) 13:20 〜 15:00 H会場 (GS 会場 3)

座長:小林 一郎(お茶の水女子大学)

13:40 〜 14:00

[1H2-GS-1a-02] 割合推定におけるアンカリング効果のベイズ更新モデルを用いた分析と一般化

〇濱田 智明1、竹川 高志1 (1. 工学院大学)

キーワード:アンカリング効果、認知バイアス、ベイズ更新、ロジット関数、t分布

近年,神経科学の分野では不確かな入力刺激に基づいて意思決定を行う際にベイズ更新が用いられているとしたBayesian brain仮説が提唱されている.また,行動経済学においてアンカリング効果は,事前に提示された数字によりのちの判断が影響を受ける現象として知られていたが,Turnerらによりベイズ更新で現象を説明できることが示された.その後,小沢らは,Turnerらの正規分布を仮定したモデルは,知識量が小さい場合については問題点があることを発見した.大きさ推定は正の実数を対象とするが正規分布だと分散が大きい際に非負の値を取ってしまう点,アンカの値により回答のばらつきに差が生じるという実験事実を説明できない点である.これを解消するために対数による前処理と正規分布を拡張した t 分布を組み合わせたモデルを提唱した.小沢らは,正の実数を取る大きさ推定に限定されたモデルだが,割合推定でもアンカリング効果は働く.本研究では,前処理を適切に変更することで一般のアンカリングモデルを説明できるという仮説に基づいて,割合推定の場合にロジット関数を前処理としたモデルが実験結果と合致するかどうかを検証した.

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