2021年度 人工知能学会全国大会(第35回)

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[4H2-GS-11c] AIと社会:技術の活用

2021年6月11日(金) 11:00 〜 12:40 H会場 (GS 会場 3)

座長:諏訪 博彦(奈良先端科学技術大学院大学)

12:20 〜 12:40

[4H2-GS-11c-05] グローバルな株所有ネットワークでのESG投資とヴァイス(悪徳)企業との繋がり

社会的責任投資に潜むジレンマ

〇水野 貴之1、土井 翔平2、土屋 貴裕3、栗崎 周平4 (1. 国立情報学研究所、2. 北海道大学、3. 京都先端科学大学、4. 早稲田大学)

キーワード:計算社会科学、ファイナンス、複雑ネットワーク科学

約6600万ノード(企業とその株主)で構成されるグローバルな株所有ネットワークに,約80万種の投資ファンドを結合する.投資運用会社は,投資家の投資ファンドを運用することにより多くの企業の直接的または間接的な株主になり,収益を得る.そして,株主として企業を支配する.我々は,複雑でグローバルな株所有ネットワークを紐解き,社会的責任を伴うESGの投資ファンドとヴァイス企業(たばこ,軍需産業など)とを繋げる経路が存在することを指摘する.投資をやめれば,ヴァイス企業からの収益はなくなるが,支配することができず野放しになる.一方で,投資をおこなえば,ヴァイス企業からの収益を受け取ることになる.このジレンマは,グローバル株所有ネットワークで線形におこなわれる収益の配分と,多数決を通じて非線形におこなわれる支配力の配分を定量化し,収益と支配力とのバランスで投資の可否を決断することにより解決できる.

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