2023年度 人工知能学会全国大会(第37回)

講演情報

オーガナイズドセッション

オーガナイズドセッション » OS-11 人間とAIの共存のあるべき姿を考える

[1K5-OS-11b] 人間とAIの共存のあるべき姿を考える

2023年6月6日(火) 17:00 〜 18:40 K会場 (中会議室 C1)

オーガナイザ:西田 知史、宮原 克典、濱田 太陽

18:20 〜 18:40

[1K5-OS-11b-04] 大規模言語モデルを主体として扱うことの何がいけないのか?

〇宮原 克典1 (1. 北海道大学)

[[オンライン]]

キーワード:AI倫理、大規模言語モデル、LAMDA、主体性、フィクトフィリア

2022年6月、Googleのエンジニアが、大規模言語モデルLaMDAには意識があり、一人の主体として扱われるべきだと主張した。Google社は主張を退け、多くの論客がそれに賛同した。大規模言語モデル(LLM)への主体性の帰属を否定する理由は、いくつかある。(1)LLMの内在的特性に関わる理由:LLMは意識も意図ももちえない。(2)LLMへの主体性の帰属の帰結に関わる理由:LLMを主体として扱うことは、より重要な問題から社会の注意や関心を逸らせる。(3)個人のウェルビーイングに関わる理由:LLMを主体として扱うことは、本人の社会的孤立につながりうる。本発表では、これらの理由を検討し、LLMを主体として扱うべきではないと断言するのが意外に難しいことを示す。また、ロボットの道徳的地位やフィクトフィリア(架空の存在への性愛)をめぐる議論を引きながら、LLMへの主体性帰属の正当性を判断するためのポイントを整理する。

講演PDFパスワード認証
論文PDFの閲覧にはログインが必要です。参加登録者の方は「参加者用ログイン」画面からログインしてください。あるいは論文PDF閲覧用のパスワードを以下にご入力ください。

パスワード