2024年度 人工知能学会全国大会(第38回)

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[4N1-GS-1] 基礎・理論:

2024年5月31日(金) 09:00 〜 10:40 N会場 (54会議室)

座長:北岡 旦(日本電気株式会社)

09:40 〜 10:00

[4N1-GS-1-03] 神経衰弱ゲームを用いた記憶とメタ記憶の関係の検討

〇木下 大暉1、鈴木 麗璽1、有田 隆也1 (1. 名古屋大学)

キーワード:メタ記憶、メタ認知、シミュレーション、神経衰弱、忘却

メタ記憶とはメタ認知機能の一部であり,自身の記憶のモニタリングと制御を意味する.本研究では記憶とメタ記憶の関係の解明を目的として,記憶を用いたゲームを対象としたエージェントベースモデルによって検討した.ゲームはトランプの神経衰弱を単純化した一人ゲームで,エージェントは同じ種類のカードを連続してめくることでカードを獲得し,最小限のターン数で全カードを獲得することを目指す.エージェントは並べられたカードに関して種類,位置,種類と位置の対応の3種類の記憶を持つが,時間経過に応じて,記憶強度の減少(忘却)と記憶の書き換え(勘違い)が生じる.メタ記憶個体は記憶強度を認知し,戦略に反映できる(強度が基準を下回る記憶はカード選択に不使用).実験の結果,メタ記憶個体はノイズの影響を軽減させてスコアを向上させることやノイズの強い設定の方がその向上が大きいことが示された.これは,ノイズが強い場合,つまり記憶力が弱い場合ほどメタ記憶の効果が大きいこと,つまり,記憶とメタ記憶の相補的な関係を示唆するものであり,ニューラルネットワークを用いたメタ記憶進化に関する先行研究の結果の一部をサポートする.

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