2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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[3J5-GS-5] エージェント:

2025年5月29日(木) 15:40 〜 17:20 J会場 (会議室1005)

座長:津村 賢宏(東洋大学)

16:20 〜 16:40

[3J5-GS-5-03] 歩行者行動の心理モデルに基づくシミュレーション

〇山崎 創一朗1、川口 恭平2、笹田 和希2、須賀 聖3、栗原 聡1 (1. 慶應義塾大学理工学部、2. 慶應義塾大学大学院理工学研究科、3. 関西大学ビジネスデータサイエンス学部)

キーワード:歩行者シミュレーション、マルチエージェントシミュレーション

近年,社会の不確実性が増大し,複雑化する社会課題への対応がより困難になっている.そこで長期的な視点で社会の予測・分析を行うため,都市の未来像に基づいた情報基盤の構築を目指し,デジタルツインの実現に取り組んでいる.本研究では,シミュレーション内のエージェントに人間らしさの伴う行動を再現するため,既存の歩行者シミュレーションに心理モデルを適用した.このモデルにより,エージェントは衝突回避時の進路を譲るタイミングを相手に応じて判断し,周囲の状況に応じて列を形成するか否か,また列に並ぶか否かを選択する.被験者実験による定量評価では,心理モデルの適用によって「人間らしさを感じる」との評価を得た.また質的データの収集では,被験者に心理モデルの説明を行い,再度エージェントの行動を確認してもらうプロセスを通じて,譲るタイミングを判断するモデルについては「部分的に納得・共感できる」という一定の評価を,列を形成を判断するモデルについては「実際の人間の行動に近い」と高い評価を得た.同時に,この過程からさらなる改善の余地についての具体的な示唆も得られた.

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